2011年12月16日金曜日

ウクレレ買った日

ウクレレ買った日
君を想ってた
青い空の下 
ボロ ボロ ボロン

どんなに遠くにいても
こうしてウクレレ弾けば
いつでも一緒さ 愛してる

ウクレレ買った日
波の手紙に
夕日のスタンプ 
ボロ ボロ ボロン

 どんなに遠くにいても
こうしてウクレレ弾けば
いつでも一緒さ 愛してる

ウクレレ買った日
君の名前の
星座がまたたいた 
ボロ ボロ ボロン 

どんなに遠くにいても
こうしてウクレレ弾けば
朝から晩まで ボロ ボロ ボロン
春夏秋冬    ボロ ボロ ボロン
いつでも一緒さ 愛してる 
ボロ ボロ ボロロン

2011年11月16日水曜日

旅の句

荒川流れゆけど
実りたまりゆく
長瀞の宿 

2011/9/26

いまは

ほったらかしたまま
わすれてしまったように笑うんだね

ちらかしたまま
なかったように笑うんだね

大切だと思っていた
まばゆい言葉と時間
いまは はるかかなた

2011年11月2日水曜日

そろそろ

そろそろ幸せなからっとした詩書きたいし
そろそろハッピーなほかほかした詩書きたいし
君と二人でいるとき触ってみようかな指先から
君を見つめてみようかなおしゃべりやめて
夢で見たよ君のこと
そろそろやさしいいつも心にいられる詩書きたいし
そろそろ陽気な海辺で流れる詩書きたいし
君が近寄ったらキスしようかな
商店街で公園で芝居小屋で古本屋で
夢では何度かキスしたよ

僕は時に

僕はなんらかの
世界の見えぬ法則に触れていたのだ
それを言葉
時に詩として現してみたいのだ

さらわれた皿 さらに サラダ
われた皿 なおさら ささみ
まっさらな皿 いまさら さらばい

2011年10月28日金曜日

青い服

体が砕けては 服は
着れない

青い服に包まれて
どこかへ運ばれていく

体が砕けては 何も
言えない

無言に包まれて
どこかへ運ばれていく

中央線のある日のホーム

2011年10月21日金曜日

はかないものに
頼ろうとするとき
私がいる

消えていきそうなものに
触れているとき
私がいる

星や月
ましてや
太陽なんていらない

あなたがいれば
私がいる

2011年10月13日木曜日

高円寺恋歌

知らない街歩いて メグミの香り探してた
春はいつも先まわり 思い出が鼻先かすめる

知らない花見つめて ユミコの姿探してた
夏はいつも遠い空 ずぶ濡れの髪乾かした

知らない店長居して サユリの気配探してた
秋はいつも夕暮れの予感 長い影路地に伸びた

知らない歌聞いて ケイコの言葉探してた
冬はいつもかくれんぼ 静けさがこの街つつんだ

知らない人愛して 君の仕草探してた
僕はいつも君の中 君はいつまでも僕の中  

この道だね 君に触れて 心あふれ
この季節さ 甘い記憶 さよならだね

桜の部屋

桜の見える部屋
けんかしたり お酒飲んだり
抱き合ったりして過ごします

行く時は行ってらっしゃい
帰ってきたらただいま
ご飯の時はいただきます

声とか呼吸とか気持ちとか
壁やドアに染み込んで
あったかい部屋になってきました

遠くに旅するときも
落ち着くところはこの部屋に似たところ

春、桜の花びらが洗濯するとき入ってきた
去年の思い出と一緒に

表に出て
桜の木の下歩いてみる
江戸の人も歩いたように
桜の木の下佇んでみる
僕らの子供の佇むように

しばらくして
ちぇりーしゃわーが注いできた

ビールとバーボン

俺から去っていった女のマボロシが
今夜も俺をゆすって眠れやしない
ビールをだらだらして、タバコふかふかして
ウエイトレスとベットに入ることを考える

可愛いアンヨに手をはわせ
悶える姿眺めて首すじにキスを浴びせる
バスルームでシャワーを全開にして
尖った乳房をすいまくる
冷たい毛布へ入り込んで
モルモットみたいに激しく転がり
春の芝生みたいに温める
香るのはビショップとシュートの臭い
ドクロに塗ると命が宿るって聞いたことある
眠る女の横顔に天使だとか女神だとかの
西洋から渡ってきた幻影重ねて
腰のクビレに弥勒菩薩のちょっとした悩みを発見
ホクロのある白い尻に耳をあてて
俺の同士がしっかり働いているか監視するんだ
俺が長くソンザイできるかどうかの大切な大仕事
星だって見守っているし
嘘っぱちのネオンも通り過ぎて
ダンボールで作り上げた月だって
ナイトだって見つめてる

働け同士!
働けど同士!

夢やモウソウの中だって真面目にやるんだ

ウエイトレスがやってきて
だらしなく胸のはだけたシャツの隙間から
おかわりはどうですかと聞く
ちくしょう、うらでコックとサックしてやがったな
俺はバーボンを頼んだ

2011年10月6日木曜日

君が

眠る君を見てる君を読んでる君に
触れる君を思う君を呼んでる君に
捕われた君を描く君を撮る君が眠る

2011年7月23日土曜日

LIFE&PEACE

どうしたらいい みんな穏やかに暮らすには
どうしたらいい 争いのない世界が来るには

考えることすら愚かと 笑う人がいる
ずっとずっと変わらないと 笑う人がいる

悲劇を叫ぼうと 怒りを語ろうと
ずっとずっと変わらないと 笑う人がいる

みんながなんて思わず
人の不幸は 見ずに 聞かずに 言わずに
思考停止

やめてしまえばいいのですか
みんなを忘れてしまえばいいのですか
そういうものだと諦めてしまえばいいのですか

それでも願うよ PEACE
この生きているところから LIFE
それでも願うよ PEACE
いま 生きているからこそ LIFE
それでも願うよ PEACE

2011年7月13日水曜日

君の街

君の住んでいた街へやってきました
この喫茶店には入ったことあるかな
呼吸する街は君の夢を吸い込んで
にぎやかになっていった

君の中から夢がなくなって
街に全部吸い込まれて
君はそのさみしさを埋めるために
誰かのやさしさにすがりついた

君がこの街を出て行った後も
君の夢だけは残って街をにぎわしている
そのにぎわいにみせられて
君に似た誰かが
今日もやってくるのだ
君の街に

2011年7月7日木曜日

琥珀さんへ

どっかいっちゃう背の高いマスター
先に空っぽのカップ持って来るママ
たいてい埋まってる麻雀ゲーム台
モーニングピザトーストと
サービスピザトーストはパンの厚さが違う
客の残した水は観葉植物が飲んでいる
毎週欠かさずリード社の漫画雑誌
四十年を
引いて淹れてた珈琲店
青春 思い出 恋 涙
煎って入れてた珈琲店
壁に飾られてたコーヒーカップ
今頃、空に浮かんで
さようならの夕立ち受けて
雨出し珈琲
次 ここ琥珀で飲む珈琲は
来世か来々世か夢の中
ここ琥珀珈琲
湯気が
通り過ぎた人の記憶の中で昇っていく
ここ琥珀珈琲
香りが
通り過ぎた人の記憶の中で琥珀になっていく

2011年7月4日月曜日

聖域

遠い町の
遠い昔の悲しみは
テレビとラジオでやってくる
新聞のインクの香りでやってくる
youtubeに残ってる

おまえのせいだと
おまえの父の
お前の祖父の
お前の国のせいだとただされる

遠い町の
遠い昔の悲しみは
愛する友の口からやってくる
敬愛する恩師の手紙からやってくる
行く先々の土地の味に残っている

誰のせいだと叫びたてて
敵を作って聖域を作るのだ
不発弾を抱えた聖域を
誰もが作ろうと叫んでいる

2011年6月9日木曜日

やさしい幻

食べるものの
飲むものも
目に見えない病に侵されて
生きてくことを閉ざされている

外を歩くことも
語ることも
止められた世界のなかで
死ぬことを罪とする

空を消したのはなに
山を埋めたのはなに
海を怒らせたのはなに

耐える人々は震えて祈る
愛することさえ哀しみに飲み込まれ
寄り添うことさえ疑いに喰われていく

幻を信じることでしか生きられないのなら
やさしい幻を信じたい
幻の中から作り出された
やさしい幻を信じたい

スタイル

花には花
コーヒーカップには
コーヒーカップ
森には森
あがた森魚にはあがた森魚
僕には僕
その文字、音、色、におい
世界にはスタイルがある
生きるための
活かされるためのスタイルがある

2011年6月5日日曜日

携帯

マナーモード
震えてもないのに
震えた気がする
あなたからではないかと
震えていたのは私

うらない

くる
こない
くる
こない

花を一輪つんで マーガレットだったか
白い花
はなびら 一枚 一枚 ちぎったよ
           幼い頃

今も僕は幼いまま

はなびらのかわりに 一文字 一文字 綴って

キ(くる)
ミ(こない)
ハ(くる)

ク(こない)
ル(くる)
カ(こない)
ナ(くる)

コ(こない)
ナ(くる)
イ(こない)
カ(くる)
ナ(こない・・・

こらぁ!

2011年5月30日月曜日

一方通行

僕は君に贈り物
君は彼に贈り物
彼は誰かに贈り物

それでいいや

知らない外国の歌がラジオから流れて
いつしか流していたよ涙

歌詞がわからなくても
僕がよくわからなくても振るわせるものがある

よくわかっていなくても
よくわかっていることもある

感じられるままに
感じることを感じればいい

よくわからないままは
わかなないままでいいや

2011年5月12日木曜日

あなたのいない日常は
ブラックホールに落ち続ける
ひと粒の砂に等しい

2011年4月8日金曜日

鎌倉の春

野花が揺れて
風の歌声
君を探して
ヴィロードの道
散歩していた
鎌倉の春

メメント・アモ

そうして僕らは生まれた
流れるひとしずく
寄り添い
愛を想うあたたかさに
つながれて

忘れがちな
どこにでもだれにでもある
愛を想うあたたかさ
メメント・アモ

あなたへ私から
私へあなたから
メメント・アモ

あなたへあなた自身から
私へ私自身から
愛を想うあたたかさを
ひそやかにでもたしかに
メメント・アモ

2011年3月25日金曜日

ノート

君からもらったノート
最後のページ

夏のしおりが挟まれてるのは
君に最後に会った日付

ノートにはいい詩が少し
よくわかんない詩が少し
さよならたくさん

なつかしさあふれるときまで閉じておく

ノートにはいい詩が少し
よくわかんない詩が少し
さよならたくさん

2011年1月31日月曜日

かいわれの種

こげ茶の種
ひとたびの水
ものの数日
たくましき森

飼い慣らされた我の種
その身を旅で満たし
空へ伸びだせ
大地を茂らせろ

かいわれの種

2011年1月27日木曜日

ギターを買った日

ギターを買った日
抱きしめて眠ったの
Cのコード押さえて
ボロ ボロ ボロン

誰にも触らせないの
それは私のギター
それは私のギターなの

ギターを買った日
抱きしめられて眠ったの
大きな手のひら
ボロ ボロ ボロン

誰にも触らせないの
それは私のギター
それは私のギターなの

ギターを買った日
雪が降り出して
指先が痺れてた
ボロ ボロ ボロン

それは私のギター
それは私のギターなの
ボロ ボロ ボロン
ボロ ボボロン

2011年1月17日月曜日

眠る前

すすんでく針をみつめて
思い出したり泣いてみたり
静かな夜に懐かしい歌を探している

昼間見上げた流れる空は
茜色にやさしくて
いつか見上げた空と同じで
のんびりとひろがってた

そこにいたことを確かめようと
目に見える時間と空間を切り取って
なんどもなんども見返してみる

どこから逃れどこまで行くのか
なんでここにいるのかさえ
わからなくなりそうになるけれど

眠る前深く深く息を吸い込むと
頬をなでた太陽のぬくもりがが
耳を掠めた音楽の笑いが聞こえてくる
月の下遠いどこかで車を走らせる
君の姿が浮かんでくる

僕は生きている
明日は来る
僕はまだ歩ける

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす