2008年9月28日日曜日

A-TRAIN

決意した朝
僕は中央線でもなく
丸の内線でもなく
A-TRAINに乗ったのだ
JAZZの街ハーレム NYを目指して

1000の詩と
情熱の切符を持って
2匹の金魚と

西武線でもなく
山手線でもなく
A-TRAINに乗ったのだ
JAZZの街ハーレム NYを目指して

決意した朝
僕は足元から延びる
A-TRAINに乗ったのだ

2008年9月11日木曜日

沖縄

はじめて沖縄に行った日
車で町を走っていたら
田無とか
東村山じゃないかと
都心から少し離れた
ただの町じゃないかと思った

海を見るまでは
居酒屋の店主が泡盛飲んで三線をもって硫歌歌うまでは
屋根つきのお墓見るまでは
やがて夜が来て
波のしらべに耳をすますと
さらに沖縄らしくなった

しかし
人の多く死んだ島は
どうしてこうも風が強く吹くのか
何かをかき消し
遠くへ運んでいくように
たとえば
戦車や戦闘機の音にまぎれて聞こえる
平和の歌や
基地の中から聞こえてくる
かじゅまるに住むキジムナの笑い声を

島はときおり強い風で泣く

はじめて沖縄に行った日の夜
沖縄は強い風が吹いていた

思い出のように

決めてるの
あなたのもとを去るときは
思い出のように音もなくと

ジンライムを頼ませて
引き止めたのはあなたなのに

ピアノトリオのアンコールが
聞きたかったわけじゃない

季節はずれの大雨が
街を濡らしたからでもない

指先が綺麗だねと
あなたがみとれてくれたから

煙草を吸わないなあなたには
どうやら私は煙たいみたいね

決めてるの
あなたのもとを去るときは
思い出のように音もなくと

2008年9月10日水曜日

だめだ

だめだ
ぜんぜんだめだ
まったくだめだ
まるでだめだ
だめだ
これでいいわけはない
これでいいわけがない
だめだ
だめだ
だめだ
どうしたら
どうしたらいいのだろう
やるしかない
やるしかない
やれるとこから
やれるとこから
やれるとこまで
だまって

2008年9月4日木曜日

晩夏



夏雲ふくれ
夕立がきて
ほてりにさよならと
ふきはじめた秋風に
ゆれる向日葵

2008年9月2日火曜日

天使

僕、実は天使です。




覆われ湧き上がり現れる
ゆっくり突然遠くの傍で
まるで死のように




覆われ湧き上がり現れる
ゆっくり突然遠くの傍で
まるで愛のように

雨は恵みなのだと
草木や花は知っていて

雨は鎮めることのだと
大地と大気は知っていて

雨は美しさなのだと
湖面の波は知っていて

雨は始まりなのだと
すべての星は知っている

傘の花咲く雨の日

雨はあなたなのだと
僕の心は教えてくれた

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす