2020年4月26日日曜日

金魚

水槽に金魚が2匹
1匹は底に沈んで動かない
もう1匹はその傍らで動かない

見上げる目と
私を見る目と
私の目と

空気ポンプの気泡が通り過ぎる

2020年4月24日金曜日

2020年4月20日月曜日

さまよいながら
たどたどと
冬の街を行けば
ちらりちらりと
雪の降る
狂っちまった詩が
はなればなれに
飛んでゆく
夢からさめていばら
吐き出す言葉のそらぞらしさ
誰もいない部屋で
やわらかな照明がちらつく
まだ息をしているということは
まだ流れているということ
真っ白な未来に
ぼくたちはなにをつづる
記してしまえば
描いてしまえば
空白は失われて
無限の自由は
閉じてしまう
触れずにおいておけば
保たれたまま
あぁ、ふさいでいくことでしあk
「生」は
あれない

2020年4月13日月曜日

20200413

こうして誰にも会わずにいると
今まで生きてきたことや
出会ったことすべて幻だったのかと思えてくる
はたしてかつて愛した人愛してくれた人も
もう目の前にはいない
このまま電子分解して宙へ霧散するまえに
私はまたその重さを確かめたい

2020年4月12日日曜日

無題

世界に悲しみと貧困が訪れて
命のあることを投げ出しそうになったとしても
道端に咲く花のようにあることのたくましさを忘れずにいれば
きっと明日も大丈夫
僕たちはまだ歌をうたうことができる
僕たちはまだ愛を告げることができる
僕たちはまだ明日を変えることができる
新しい景色、見たことのない道を探して
僕たちはまだ歩くことができる
君に会いに行くことができる

2020年4月10日金曜日

昨日の空と今日の空は違う
今日の空と明日の空は違う
でも
昨日の空と明日の空はつながっている
明後日の空とおとといの空もつながっている

ロンドンの空とアフリカの空は違う
蜜蜂の見上げる空とバオバブの見上げる空は違う
でも
北極の空と南極の空はつながっている
ペンギンの見上げる空とイグアナの見上げる空もつながっている

だから
100万年前のアンデスに咲く花の見上げた空と
100万年後のエジプトの猫が見上げる空はつながっている
ように
あなたの空と僕の空もつながっている
のだ

***

The sky of yesterday is different from that of today, and today's sky is different from that of tomorrow. However, the sky of yesterday is connected to that of tomorrow, and the sky of the day after tomorrow is connected to that of the day before yesterday. The sky in London is different from that in Africa, and the sky seen by bees is different from that seen by baobabs. However, the sky in the North Pole is connected to that in the South Pole, and the sky seen by penguins is connected to that seen by iguanas. So, the sky seen by flowers blooming in the Andes 100,000 years ago is connected to the sky seen by cats in Egypt 100,000 years later. Similarly, your sky and my sky are also connected.

2020年4月4日土曜日

20200404-2

死せる海の底に
悲しき町の影が流れ込んで
蝋燭の炎の揺れるにまかせて 
今朝もとぼとぼと
とぼとぼと昨夜も

20200404

蝋燭の灯りを頼りに夜の街
家々からのバイオリンの音色
私は炎の揺れるにまかせて
とぼとぼと



2020年4月2日木曜日

20200322

正しき明日の遊覧飛行
さきみだれたる沈丁花に
霞の中より雫の落つる

20200319

かかしの夕暮れに
風車のまわる8月
飛行船がビラを撒いて山へ帰る
虹が追いかけて星が瞬く

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす