2016年6月25日土曜日

夜に

夜の樹
根元の根が
人の寝ているように見えた

夜の公園
街灯が葉を照らして
揺れていた

夜の遊具
昼間より騒がしく
沈黙していた

へそのような
広場の真ん中に立ち
数日前に吐き出した言葉を
思い出していた

風が走り抜けて
そこにいる
私だけが
いつまでも部外者のように
ハーモニーを乱していた

私は座り込んで
夜になろうとした

私は眠り込んで
夜になろうとした

2016年6月24日金曜日

無題

憎しみ


がない
のは
しらないから

がない
のは
わからないから

がない
のは
ふれないから

がない
のは
おなじだから

あると
うまれる

無条件の
美しい世界は


いきるということは
憎しみをかかえること

あるから
すべて
​あるから

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす