poem on chair
2018年3月4日日曜日
光にまぎれて春の薫りが路地を通り抜ける
暮れてゆくその日をとどめたくて
時間の流れのゆるやかなところへ行く
どのくらいの距離から
どういう形で届いてくるのか
光、音、あるいは味
その大きな窓から見える景色と移ろいゆく存在
夜の訪れる少し前に音のない花火が開く
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雪が降る 柔らかに雪が降る 昼も夜もこの街に 雪が降る 足跡が道についている 誰かが歩いた跡 私も歩く 雪の中を 優しい雪の中を
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく