彫りだされたひとつの杖
文字の標に導かれ
行間の小道を歩いて森ゆけば
せせらぎ さえずり かぐわしき薫り
抜ければそこは無限のアゴラ
天よりあふれしたたる美しき水
地よりわき実る豊かな果実
澄みわたる泉 満ちるこもれび
みなみな宙卓を囲んでおしゃべり
ベルヌ ジュペリ ドストエフスキー
漱石 中也 芥川
パブロネルーダ 子規 四郎…
みなみな泉で水浴び
賢治 ダンテ シェイクスピア
李白 ゲーテ トマスマン
りんちゃん サガン 紫式部…
みなみな木陰でひと休み
イエス 孔子 マホメット
ピュロン ブッダ ソクラテス
ヘッセ ホメロス ハイヤーム…
みなみな なみなみ 名を忘れ
風になびく八つ手の花弁
ほんのひと時の終り
果てて饗宴の終り
みなみな彼岸のかなたへ
だれもかれも親愛なる森の種子
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