poem on chair
2009年5月8日金曜日
歌唄いに捧ぐ詩
歌唄いが死んで
歌唄いの曲が
その夜はラジオでたくさん流れた
楽しい陽気な曲ばかりで
よけいに悲しくなって
やたら誰かと話したくなって
電話をかける
月のうらの宇宙人だとか
地球のうらの大統領だとか
すてきな歌唄いの歌の一節を
唄いあげると
みんななぐさめを言いながら
その一節を繰り返すのだ
死んだ本人は
自転車で土星の輪を回りながら
新しい歌を唄っている
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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