2012年6月6日水曜日

淵をのぞくおとこ

高架橋の上から淵をのぞく男がいる

明日僕が飛び込んだら
僕の世界はおわる
暗闇か光かただの無か
でも借金は消えない

明日僕が沈んだら
太陽を見ることも二度とない
あたたかいのかさむいのか感じないのか
でも裏切りは消えない

明日僕が息を止めたら
ひまわりで女を抱くこともできない
正しいのか間違いなのかそもそもそんなものあるのか
でもなにも消えない

僕が消えたとしても
世界は何も消えずに
だまりつづけるのみだろう

その男がどうなったのかわからない

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす