2020年10月5日月曜日

 僕の前を流れた風景

それはすでに失われ

花を揺らす風

ベンチを照らす光

喋り声

道端のはね

いつかの土産

無数のマンション

僕を見つめる目

僕は何かを思い出した

通勤途中の駅で

懐かしい友人に会う時に

あの雲の果ては

果てである

今はもわかりもしない悲しみの

僕は何をみたのか

僕は何をみたかったのか

影が形を作る

触れてはいけない

僕は近くだけだ

僕は迫る

忘れながら失いながら

触れられぬものに

僕は停止する

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす