2020年7月16日木曜日

電灯を消して天井がわずかに見えるかなな夜に


電灯を消して天井がわずかに見えるかなな夜に
だんだんと夜が明けてくるのを待つのです

温もりから窓を開けますと
物干しざおにかかかる 空っぽの洗濯ばさみに
陽光がほされて足をぶらぶらしてるんです

石鹸とビオラがつつきあって露をはねる
冷蔵庫の中で昼寝する茄子と大根をひっぱりだして味噌で煮る
吹きかえる湯気にシンドバットの蜃気楼
オアシスに浮かぶ花びらを手のひらですくうんです

いつだって日々を閉じ込めて薫りがする
そう、哀しい記憶ほどいい薫りがする
だからもう泣かないでください それでよかったのですから
アパートの白壁がね ギリシアのミコノス島みたいに見えるんです

いつだって少したってから青春は訪ねてくる

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サボテン

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