poem on chair
2010年8月31日火曜日
消え行くもの
夕焼けと引き換えに
町にはビルが建ち
星空と引き換えに
夜の盛り場が出来る
愛と引き換えに
女体があふれ
幸せと引き換えに
物が増えてゆく
膨張してゆく世界が
すべてを薄く薄くしてゆく
象徴だけが記されて
すべてかすみのように消え行く
呼吸をするのを忘れた人らは
それらが消えてゆくことに気づかない
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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