ああ
この苦しみは
通過儀式なのか
それとも道を
たがえただけなのか
わからない
僕にはわからない
ただ
あまりにも
僕は恋の悦びを
感受したために
もう
なにも
残ってはいない
生きていることへの
悦びを
恋の悦びに
重ねすぎたのだ
僕は
魂を
あの
ベアトリーチェに
捧げてしまったのだ
ああ
あなたは去ってゆく
僕にもたらした
すべてを持って
去ってゆく
残された僕は
ひたすらに
煉獄の炎に
焼かれるしかないのだ
なんと残酷な!
あなたの
しあわせが
僕をさらに烈しく焼きつけるとは!
ああ
ベアトリーチェ
どうして
すべてを焼いてくれないのか
僕はもうこの残炎より
動くことができない
逃れることもできない
目を開けることもできない
ただ
この苦しみが
通過儀式であることを
祈るだけなのだ
愛への
だが
わからない
僕にはわからない
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