すべての色と形を受け止める用意を整えて
斜め上の天井を見上げている
根を降ろす場所を知ってか知らずか
落ち着き払った、たたずまい
かつて木であった記憶を向き合うものにも流し込む
自らの役目を知り
使いやすいように穴を開け
頑丈に足組みしながら
黙して出しゃばらず
必要ないときはたたまれ影にて待つ
街中の喧騒であろうとも
嵐の吹き荒れる断崖であろうも
哀しみにくれる闇夜であろうとも
不動のイーゼル
であるからして
向かう精神は自由でいられる
世界はまた確かな柱を得た
とんぼが懐かしくてとどまりさえする
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