2013年11月5日火曜日

昼間のよに明るい夜に

珈琲店をみつけはいりこむ
警官がせわしなく歩いている
びりやあどの玉パチンコ玉のように
人々が散っては集まり散っては集まりしている

私はまた眠気が来て
コクりとなった
私が明日の夢を見た
夢の中で私は一日多く生きて
気がつくとまたコーヒー店であった

誰か一人くらい知った顔に合うかと
淡く想った
だがその時わかったのは
誰も私を想うものはないのだと

ウエイターすらも私を気に止めない
そして私も誰も想わなかった

紙を取り出して
詩でも書くがどうもすべらない
そのうち眠くなり
コクりとなった

表に出ると
アジア女性が腕に絡みつき
声をかけてくる
金はあったが女を抱く気にならない

再び空を見上げると
ここは行き止まりなのだと気づく

駅前にはあきらめて眠る人
あきらめず男を誘う男
女を誘う男
男を誘う女

行き止まりなのにどこへ行こうと
さそうのか、
暖まりたいだけなのだ
彼らは暖まりたいだけなのだ

その日僕は考え事をして
終電を逃して
帰る場所を失って空を見上げていた
昼間のよに明るいが
暖かくはない

始発まで突っ立っていようかと思ったが
寒さがこたえた
わざと賑やかな居酒屋に入る
さわぎ回る学生やOL達の声の中
カウンターで好きにやる
が一時間しないうちに
酔いもまわり腹もふくれ
携帯の充電も切れた

朝が来て
みな帰るところをみつけて
どこかへ行ってしまった
私も動き始めた電車にのって

空からホウキのような光が
街を掃いていた




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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす