2012年5月10日木曜日

帽子

ともしびの揺れるBARで
言葉を忘れようと飲んでいた
隣りに座っていた女が
私の帽子をかぶりたいと言った

煙草が切れた

私は煙草をくれと言った
煙草の煙に
言葉が流れ出して
頭上に輪ができた

私は女に帽子をやった

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす