物憂げに肩を窄めて歩く人々
眩しい太陽はその影だけを立ち上らせて
つかむことの出来ない幻影を見せる
カーテンをくぐるように
太陽へと向かいながら
辿りつくことのない楽園を夢みた
独楽のように運命を回し続けては
止むことのない行為に没頭する
断ち切られた静かなる情熱は
既に霧散し
いく世代かののちに
再び降り注ぐのを待ちわびるのみ
鳴ることのないオルガンを弾きながら
世界の片隅へと囚われてゆくカナリア
戸を開け窓を開け
風に運ばれてくる微かな物音
一体何者なのか誰も知らない
冬の太陽はそれでもやさしく命を照らす
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