僕はこの街にきました
僕はだからこの街に来ました
僕はあなたに会いました
その日月がぽっかり出ていました
風が触れたので
忘れたくはなかったのです
二人歩いたその道は
いとおしい道となった
いつまでも
肌のぬくもりで目覚めた朝
ラジオから流れる南国の歌
いくあてのなかった言葉たち
始まり流れ終わり行く
やさしさだけをアスファルトに残して
張り詰めた不安を拭い去り
床に投げ出されたズボンが沈黙し
世界とは
日常とは
なんと美しいのかと打ち鳴らされる
恋を失ったわけでもありません
恋が破れたわけでもありません
恋を知ったのだと思います
滑らかな卵のような
象徴されたあなたのとのわずかな時間
ただ
永遠に近い時を待っていた
歩くあなたに
聞かせたい声と
届けたい声とがあった
新しい言葉は
心寄り添わせ
ねそべりたい
ときおり青空を眺め
行きかう人々を眺め
椅子に座り
僕らはもう少し幸せになりたい
地球上にある10のチェックポイント
すばやくまわれ
マカロニボイル
明日人を愛せるか
明日人から愛されるか
ニコチンの痺れ
定価で販売中
すり抜ける影
すり抜ける香り
すり抜けるあなた
ここに寂しさがある
春の一日
共に生きよう
今まで書いてきた恋の詩を
みな眠る
みな排泄す
この夜に
あなたに捧ぐ
不足しているのはなんだ
おまえもしてる
あのこもしてる
あれ
でも僕らはそうして生まれた
うなぎ食べた
夏の夜
幸福とはなにか
しあわせかと問う
生ぬるい友情が
夕立にあい
ずぶぬれ
いつも
笑えない時間の
バーゲンセール
吸い込んだ街の光
おはよう
大きくもなく
小さくもなく
僕らを明日へ運ぶ
ささややかな
ともし火のような
それぞれがそれぞれの
静寂より生まれる
ぬくもりの呼吸
押し寄せても平気だった
消えた言葉と
失われた言葉とを
残すことで
1999年9月4日21時48分05秒に
愛を知らぬぼくが
2009年9月4日18時15分46秒に
愛の詩を書く
やさしい稲妻が
大気を抱きしめる
地球の裏の
浜辺まで
くる必要があった
あなたを
忘れるために
あなたを
忘れてしまわないように
僕はこの街に来ました
だから僕はこの街にきました
そしてあなたに会いました
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