2012年1月23日月曜日

肉体へのオード

裸になった時
私はふとこみ上げた

顔よ ありがとう 人に微笑みをあげることができた
目よ ありがとう 美しい世界を見ることができた
鼻よ ありがとう いい匂いを嗅ぐことができた
耳よ ありがとう 素敵な言葉を聴くことができた
口よ ありがとう ご飯をしっかり食べることができた
喉よ ありがとう 詩を朗読することができた
首よ ありがとう まっすぐ歩くことができた
腕よ ありがとう いろんなものを運ぶことができた
手よ ありがとう がっしり握手をすることができた
指よ ありがとう こうして詩を書くことができた
胴体よ ありがとう 抱きしめてもらうことができた
ちんちんよ ありがとう 古い水を排泄することができた
足よ ありがとう 行きたいところへ行きことができた

それぞれの部位を丁寧にさわりながら
私は礼をのべた

命よ ありがとう 今日という日を生きることができた

0 件のコメント:

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす