2012年1月22日日曜日

この電車は俺たちの乗る電車じゃない

ライブ終わりの
高円寺への帰り道
総武線は満員電車
並ぶ人たちが全員乗るには
もう3つくらい車両が必要
電車の中には
もうプール4つくらい空気が必要

行き場所求めて
行き場のない車両に乗り込む人々
人を押しのけて
人を傷つけて
行き場所求めて
息のできない車両に乗り込む人々

詩人はつぶやいた
この電車は俺たちの乗る電車じゃない

ガラス越しに顔のつぶれた
ガラス越しに体のつぶれた
ガラス越しに心のつぶれた

それでも車両の中にいることに
安堵し慣れた人々を見送りながら
詩人はしばしたたずみ
今朝見た道端の猫を思い出していた

詩人は次の電車に   乗り込んだ





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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす