2010年11月24日水曜日

つみとばつ

さしだすつみのしを
かたはしからたべていって
びりびりたべていって
あなたはぬれていた

いつのひかぼくがつかれたとき
おなかがへりすぎて
あなたはどこかへいってしまった
ぶりぶりとばつをのこして

あなたのふざいが
ぼくをたたせる

2010年11月23日火曜日

ぬけがけ

愛していると言ったとき
僕はあなたを
愛しているのだと知った

2010年11月19日金曜日

木枯らしに

近くて遠いあなた
知っているけどわからないあなた
赤い糸紡げないかと
そっと木枯らしに小指を立てる

2010年11月12日金曜日

さみしさ

このさみしさはどこから来るのか
吹き始めた冬風はまだあたたかい
こみ上げるさみしさは
生きてきた過ちのつぶやき
気づかぬように新しい土地へ
紛らわすように出会いを求める
さみしさが私を動かす

2010年11月10日水曜日

別れ

またねと言って
さよならと言って
そして何も言わずに
去っていく
出会う悲しみ
別れる喜び
ああ、
なにもない

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす