2008年8月26日火曜日

陽を浴びて地に根を下ろして
あせらずじっくりと伸びる草

風や蝶が駆ける青い空に
たくましい緑の梯子をかける

ああ、バッタや毛虫が昇って食っている

雨を受けて地に抱きついて
聞こえぬ歓喜を宇宙へ響かせ

全うする自由で堂々とした
湿るその手と腕にふれる

ああ、ここにまた新しい芽が突き出ている

未来へ

遺詩

生きているのがつらいのです
後悔や過ちばかりが
心をよぎり
喜びやしあわせを
いくら投げ入れても
どうにもならないのです

なにかを始めては
続かず終わらず
また両親や周囲の人に
迷惑心配をかけ
あやふやな幻想ばかりを
追いかけて
草の寝息は聞こえない

髪はかさつき 目は悪く
鼻も悪く 口などは虫歯で臭く
脂肪のたまった体と
インキン 水虫

生きているのが楽しい訳はなく
金もなく 女もなく
心を病み明るさもなく
何の役にもたたぬ人と成り果てた

生きているのがつらいのです
眠りにつくとき
このまま死んでしまえたら
どんなにか楽かと思うのです

すみません 僕は
だめで愚かな人間です。

2008年8月25日月曜日

君の香りの中で

君の残した香りは
いつまでもここで僕を包む
手をつなぐことさえ出来ない僕を
君の香りだけが包む

僕は君を思い出す
目を閉じて君を思い出す
君の香りの中で
そこにいた君を

2008年8月24日日曜日

2008年8月22日金曜日

獏さんみたいな

 
一行 また一行
連ねていって
詩にする

風景や
気持ちや
思い出を

獏さんみたいに
気おわず
気どらず

一行 また一行
連ねていって
いつかいい詩を書きたい

詩人て
かっこよくない?

2008年8月16日土曜日

言葉

おはよう


僕はちいさな言葉に心を奪われた
あなたはちいさな言葉をたくさんいった


これ、きれいだね
ねえ、どうおもう?


だから僕はあなたにちいさな言葉を贈った

あなたが好きです

そしてあなたはまたちいさな言葉をいった

ごめんね


あなたの口からこぼれたちいさな言葉たちを
僕はいつまでも忘れない

おはよう 
これ、きれいだね
ねえ、どうおもう?

ごめんね


僕は今 ちいさな言葉をひとつ見つけたよ



ありがとう

理想

未来を開く一瞬一瞬に
すべてで向かう
その清廉な魂と
ほほえみとで

願い

僕があなたに出会ったのと同じように
僕はあなたに愛する人に出会ってほしい

僕はもう

最愛の人よ
僕の存在があなたの苦しみならば
僕は死んだってかまわない

僕はあなたを愛することで
生きることを知った
生きることとは愛することと

だから僕はもう死んだってかまわない

2008年8月1日金曜日

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす