君に/昼下がり/似た人を/仕事に向かう電車の中で/見かけた/見つめたけど/手の形/髪型/太腿の太さ/茶色のバック/あぁ/ホクロがないね/かきあげた前髪から/のぞく/はずの/ホクロ/ホクロ/があったとして/僕は話しかけただろうか/君は君であっただろうか/
2018年12月10日月曜日
2018年12月4日火曜日
白い本
白い本の表紙に君が触れた
白い本を持ち上げて君が開いた
開いたものは誰かの呼吸
触れたものは誰かの皮膚
文字が君の時間と一緒に走る
君の身体が熱くなる
君はひとつ深く息をした
白い本を開いたままで
君は顔をあげて遠くを眺めた
白い本を持ち上げて君が開いた
開いたものは誰かの呼吸
触れたものは誰かの皮膚
文字が君の時間と一緒に走る
君の身体が熱くなる
君はひとつ深く息をした
白い本を開いたままで
君は顔をあげて遠くを眺めた
2018年10月19日金曜日
夜更けに地球の裏側の薔薇から便りが来て
夜更けに地球の裏側の薔薇から便りが来て
新らしい記憶をロングスプーンでかき回す
クリームソーダみたいなビーチが溢れて
パラソルがいるねって駆け出していく
砂がね、舞って、君の小麦の肌が光るよ
夕暮れや星空を待つ前に夢の中に僕はいる
輪郭がやけにはっきりしたと思うくらいに
世界に僕は触れることができる
ほんとはどこへたどり着くかもわからないままに
その光射す方へ向かってみようと思うのだ
新らしい記憶をロングスプーンでかき回す
クリームソーダみたいなビーチが溢れて
パラソルがいるねって駆け出していく
砂がね、舞って、君の小麦の肌が光るよ
夕暮れや星空を待つ前に夢の中に僕はいる
輪郭がやけにはっきりしたと思うくらいに
世界に僕は触れることができる
ほんとはどこへたどり着くかもわからないままに
その光射す方へ向かってみようと思うのだ
2018年10月16日火曜日
回転木馬の整列が/光の糸を噴き出している/ガレ-ジに吊るされた/ランプの灯と交じり合い/ビニールシートのこすれる音がひびく/岬で魚影を追う白い船が今朝/沖へ到達した/知りすぎたペンシルバニアの農夫たちが/反乱する/強い炎の中で二つの森が現れる/焦げた匂いは斑点模様となって/リンゴの表面(サーフェイス)へ/降りそそぎ始めた/通り過ぎた玉虫色の遊歩道から/キビキビとしたチェロの旋律/行方知れずの猫が土曜日の階段であくびをしている/満ち足りたグラスからダイヤモンドが引き上げられて/渡り鳥が旅の準備を始めた/太陽の産声に気づかぬうちに/羽衣の残照が大河へと流れだす/蓮の咲く沼のほとりに少年の自転車がまわる/投げ出された手紙が今日もビルの隙間でまばたきをしている/緑色の椅子が空き地の中に立ち上がり/揺りかごの紋章は扉のステンドグラスに映り込む/ちぎれたパンのかけらが路地裏にすいこまれていく/ああ、6月の幻/屠殺場から血の便りが届くように/街灯に照らされた傘の影が/広がり続ける星々の速度を計測している/置いてきぼりのハムスターが輪を回し続けている/遠くで君の名を呼ぶことばが/屋上から見える花火のように/過去へとどまり未来へ散る/静寂の海と忘却の空へ/私もまた君の名を呼ぶ/カフェの入り口にたたずんで/春のゆくのを待つ/酒場のカウンターで/秋の訪れをかぐ/駅のホームで/冬の足音を聞く/今は夏のはじまり/林道で、陽射しに貫かれながら/君の後姿を摘んでいる/ああ、私はまた、ただ/海辺の巡るのを知る/同じに思える風の中に/新しい色がまぎれこんで/しだいに音に変わっていく/かき混ぜられた紫色の交響曲/ナイルの反乱に飛び込んで日々を裏ごしして/ピュアな木の葉が降りつもる/ああ、光の芽が高速でふき出して/矢印をつくっている/窮屈なボトルの花々が/草原を夢見て空へ伸びる/走り去る馬の周りを蜂たちが飛びまわり/再会を約束した傭兵たちの十字架へとまる/落ち続ける滝のしぶきに目玉がすり減りながら/それら花々の香りを放っている/最北の地にゆがんだテレスコープの影がゆるやかに流れる/ジキタリスにおける国境のあいまいさに似て/三度目の祝祭が行われる街で大通りをいけにえの羊たちが歩いて連なる/右手の火傷のあとからぼんやりとした痛みがして/予定調和の酒だるから天の川の星々が注がれていく/水中花の浮かぶグラスに陽の差して虹の生まれる/南蛮渡来の望遠鏡からオアシスの森/三千年の教会から鐘の音の響くころ/カエルの歌が聞こえて山々の嶺に雪の降る/最小限の方位磁石をたよりにジプシーの一団が/新しい季節を求めて出発した/ソドムとゴモラの罪を洗い流す月の光に似て/田園の稲が歌い始める/くりかえされる、まわる、めぐる/いのちのはなに君は似ている/馬のたてがみをつかんで草原の風が触れる/水色の首飾りに涙がいくつか落ちて/長い髪の女がその髪を結いながら/夕暮れを見つめている/遠い未来が今をのぞいて優しく肩を抱いてくれている/隙だらけの気泡が両端の夢に届いて虹をかけ始める/数時間のサイレンが石炭袋に吸い込まれて/青い光がこぼれてくる/三日月の上に腰かけた少女たちが/白い足をこぎながら優しい歌を唄っている/千年草が芳香の中で開きはじめた/今日の夕暮れが昨日の夕暮れを引き受けながら/突き出された天井桟敷に鎮座している/見つけたばかりのハンケチを手にしながら/あふれる涙をぬぐう/それは、霧の先での、喜びの、である/とどまることのない陽光のように/現れて消える言葉とわたし/そしてあなたのかおり/現前するのがはかない/絹のような糸のような/触れることのできぬ去り続ける幻/この呼吸の終わらぬうちに/もう一度もうち一度/夕闇に音はまぎれて
光る瞳ばかりが宙を舞う
遠い日の彼岸を私たちは待つ
嘘もひとつの真実であると知る時
森の中からふくろうのなく声の響く
2018年5月29日火曜日
2018年5月20日日曜日
2018年5月17日木曜日
2018年5月7日月曜日
白い紙たちの沈黙が呼びかける
白い紙たちの
沈黙が呼びかける
記されるべき言葉の
描かれるべき線の明日は
この呼吸の
この血の
この時の
先に
確かなことそれだけをまず記す
おはよう
わたしはあなたと過ごせて
どれだけしあわせかわかりません
部屋に虹
部屋に光
窓から
そう 窓から
沈黙が呼びかける
記されるべき言葉の
描かれるべき線の明日は
この呼吸の
この血の
この時の
先に
確かなことそれだけをまず記す
おはよう
わたしはあなたと過ごせて
どれだけしあわせかわかりません
部屋に虹
部屋に光
窓から
そう 窓から
2018年5月2日水曜日
大切な人と一緒にいられること
美味しいものを食べられること
快適な場所にいられること
私の仕事が世界の役に立つこと
美しい風景の中にいられること
安らかに眠りにつけること
湯船にのんびりと浸かれること
芸術作品を日々創り続けられること
これらの訪れに感謝していられること
隣人に祝福と祈りを捧げられること
ひとつ先の角を曲がれば
長いこと街を見てきた大きな木がある
あなたにとっての懐かしい風景は
私にとってのはじめての風景
あなたに導かれて歩いて行くことで
その角が今日から私の想い出の一部となる
いつの日かまたこの角を曲がり
この木に出会うとき
私は挨拶をするだろう
そしてこの木目に触れて
あなた指先を思い出すだろう
登る朝陽、とっぷり浮かぶ月に出会い
正面切って向き合える詩を思い出すだろう
光のある未来の創り出せる詩を思い出すだろう
美味しいものを食べられること
快適な場所にいられること
私の仕事が世界の役に立つこと
美しい風景の中にいられること
安らかに眠りにつけること
湯船にのんびりと浸かれること
芸術作品を日々創り続けられること
これらの訪れに感謝していられること
隣人に祝福と祈りを捧げられること
ひとつ先の角を曲がれば
長いこと街を見てきた大きな木がある
あなたにとっての懐かしい風景は
私にとってのはじめての風景
あなたに導かれて歩いて行くことで
その角が今日から私の想い出の一部となる
いつの日かまたこの角を曲がり
この木に出会うとき
私は挨拶をするだろう
そしてこの木目に触れて
あなた指先を思い出すだろう
登る朝陽、とっぷり浮かぶ月に出会い
正面切って向き合える詩を思い出すだろう
光のある未来の創り出せる詩を思い出すだろう
蜘蛛
地上10階のこの部屋に蜘蛛の歩いているのをみた
マンションが改装中で外壁に足場が出来てそこをのぼって来たのだろう
巣を張るのだろうか自分だけの住みか
自分の体から出てくる糸を組み上げ食べ
眠るところを作り、飛行する
移動して形づくる
透明な生の為すまま
蜘蛛は私に気づいて動きを速めとどかぬ所へ
死を逃れて
2018年4月27日金曜日
2018年4月19日木曜日
2018年3月4日日曜日
2018年2月20日火曜日
2018年2月9日金曜日
さらばあたえられん
あかるいひざしのかなで
わたしはきょうもいきていることをしる
でんしゃのゆくおとがする
つけたままねていたでんとうがついている
まちでびるをたてるおとがする
そこにはだれかがいて
わたしもそこにいるのだ
なつかしいひとたちにあうゆめをみる
のこされたしゃしんが
そこにわたしのいたことをしょうめいする
まだふざいのあしたやみらい
かつてふざいだったいくたのじかんやばしょ
こたえをだれもよういしてはくれない
のどがかわいた
わたしはきょうもいきていることをしる
もとめよさらばあたえられん
わたしはきょうもいきていることをしる
でんしゃのゆくおとがする
つけたままねていたでんとうがついている
まちでびるをたてるおとがする
そこにはだれかがいて
わたしもそこにいるのだ
なつかしいひとたちにあうゆめをみる
のこされたしゃしんが
そこにわたしのいたことをしょうめいする
まだふざいのあしたやみらい
かつてふざいだったいくたのじかんやばしょ
こたえをだれもよういしてはくれない
のどがかわいた
わたしはきょうもいきていることをしる
もとめよさらばあたえられん
2018年2月1日木曜日
鳥取
真っ白な雪が朝目覚めると景色を覆いつくして
その中で屋根のあることを思いながら
湯を沸かして朝食の準備をする
米とみそ汁シシャモに納豆、卵。
じょりじょりしてる雪道と鷲の羽ばたくような山並み抜けて
小学校の校庭、雪に埋もれた電気自動車。
鳥の置物がたくさんある廊下。
腰丈の灯油ストーブ。黒光りするリノ
白いスクリーン。ラジオ体操。
声、声、身体、身体、真実、真実、虚構、虚構
夕暮れ、月夜、鍋、下着、台所、やかん、お菓子、カレー
イラスト、結婚、ゴリラ、200円、ぼんやり
一軒家に偽物の親戚
あぁ、美しさとはつまり欠如
その中で屋根のあることを思いながら
湯を沸かして朝食の準備をする
米とみそ汁シシャモに納豆、卵。
じょりじょりしてる雪道と鷲の羽ばたくような山並み抜けて
小学校の校庭、雪に埋もれた電気自動車。
鳥の置物がたくさんある廊下。
腰丈の灯油ストーブ。黒光りするリノ
白いスクリーン。ラジオ体操。
声、声、身体、身体、真実、真実、虚構、虚構
夕暮れ、月夜、鍋、下着、台所、やかん、お菓子、カレー
イラスト、結婚、ゴリラ、200円、ぼんやり
一軒家に偽物の親戚
あぁ、美しさとはつまり欠如
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君の歌と僕の恋
君の好きな歌のこと 君のSNSで知った どうして好きになったか 聞きたかった 君の好きな歌は 青い風が吹いて 確かに誰かを愛していて 輝いていた 君もそうかな 君は僕が君のこと 好きなことを知らない 僕は君が好きな歌を知った 歌は無限に永遠に近く繰り返して いつでもアクセスで...