2014年3月28日金曜日

メロンパン

メロンパンにはメロンがはいっていない
実存から遠く離れて
ひとりあるき

気配を主張しながら
入口と出口を
モザイクかけながらまかりとおる

浮世離れのメロンパン
コペパン、食パンの
たどり着かぬ極地極楽

カスミを食うという
仙人たちのいわば主食
メロンパン

メロンパンにはメロンが入っていない
キャメロン・ディアスにはたまに入る

ひとひら

わずかな季節に咲いては舞っていく桜の花のよに
色や形の意味が空に溶け出しても

君の前にいることが何も必要としなくても
共にあることのその喜びが
体とか心とか声、越えちゃえばいいね

コンクリの街でも、360度水平線の海の上でも
共にあることの喜びが
体とか心とか声、越えちゃえばいいね

ひとつでもひとひらでも
ひとつでもひとひらでも

2014年3月18日火曜日

詩情を掘り起こす



自分ではない他者の中に眠る詩情を掘り起こす、ということは自分で詩自体を書いているわけではないのだけれども、その他者の書いた詩にとても親密さを感じる。自分自身の事を書く詩から、自分の見える他者の事の詩に移り、そして他者の書く他者自身や、他者の書く他者へと詩の興味関心が巡っているのです。

ここで言うところの他者とは事物、事象も含まれます。

2014年3月15日土曜日

かなしみ

書き綴った詩をまとめた詩集を
欲しいと言ってくれる人あり
僕は500円で売った。

500円が生き活きと
電車賃やカレーパンに消えて
いったのだが

どうして僕はこんなにも
かなしいのだろう

2014年3月10日月曜日

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす