2012年1月7日土曜日

冬の太陽はそれでもやさしく命を照らす

物憂げに肩を窄めて歩く人々
眩しい太陽はその影だけを立ち上らせて
つかむことの出来ない幻影を見せる

カーテンをくぐるように
太陽へと向かいながら
辿りつくことのない楽園を夢みた

独楽のように運命を回し続けては
止むことのない行為に没頭する

断ち切られた静かなる情熱は
既に霧散し
いく世代かののちに
再び降り注ぐのを待ちわびるのみ

鳴ることのないオルガンを弾きながら
世界の片隅へと囚われてゆくカナリア

戸を開け窓を開け
風に運ばれてくる微かな物音
一体何者なのか誰も知らない

冬の太陽はそれでもやさしく命を照らす

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす