2015年10月23日金曜日

輪廻

だから眠る
だから眠れ

光に眠れ
闇に眠れ

切り抜かれた
時の集積が
抵抗して燃える
あるいは泳いでいく

いつのまにか
光ばかりが世界を覆い

影をたどることでしか
君に逢えない

溺れるほど
深く眠ることで
ようやく私は
君に触れる

乗り込む人々は
行く先を知っている
乗り込まない人々は
行く先を知らない

到達しない遊園地に
観覧車はやがて
地に降りてくるというのに

お前はこの世界で何をみた
お前はこの世界で何をみたい

だから眠れ
だから眠る

光に眠れ
闇に眠れ

汚れた地図

ないまぜの感情が
殻をやぶり
溢れだして
拭えぬ影をつくる

塞ごうとする手が
さまよう

汚れた地図を
それでも僕は
愛する

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす