2010年4月15日木曜日

出航叙景

穏やかな潮風に
船首からのびる万国旗がたなびき
白い体を静かな入り江に横たえて
時のくるのを今か今かと伺う船

好奇心にしびれる乗客と
汗にまみれたクルーが船の血となり
駆け巡る

愛する人の紙テープが
磨きこまれた甲板の上を
どこまでもどこまでも転がりつづけ
空行くかもめの道しるべとなる

錨が引き上げられ
合図のドラが鳴り響き
白い体が波の招きにあわせて
沖へ沖へと吸い込まれていく

汽笛が鳴る
日常を区切る
汽笛が鳴る

アカンベー

写真の中で僕を見ている君  小雨が降る川沿いの道  季節が降り注いでいた  好きな曲がずっと続くようにと願っていた  言葉にしない僕に 舌を出してアカンベー 今はもう遠い空 愛は変わらずに 大切な人のそばに いられること いられたこと 今はもう遠い空 愛は変わらずに あの日の言葉...