2010年1月21日木曜日

その時海は銀色だった
青は空
空は雲で海の真似をしていた

その時海は金色だった
オレンジの朝陽
海へ金色の道を敷いた

その時海は鉛だった
風は恐れて
波の陰に隠れていた

その時海は暗闇だった
月がくすぐっても
息を飲み込む暗闇だった

海は・・・
海は・・・
海は・・・

その時海は殺人者だった
幼い私の足をつかんで殺そうとした
私は逃れようとどこまでも泳いだ

その時海は恋だった
行けば支配されるとわかっていながら
私はもぐりこんでいった

その時海は音だった
どこまでもやさしい母のように
私の嘆きを美しい旋律にした

その時海は永遠だった
私が記すときと同じように
その時海は永遠だった

海は・・・
海は・・・
海は・・・

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす