poem on chair
2009年11月13日金曜日
とある老人へ捧ぐ
昔青年だった老人は
路地裏の小さな店に通い
止められながらも杯を傾け
共に過ごした歌を詠う
思い出は語らずとも
しわの間より風景がにじみ
若人の歩む道へ迷わぬようにと
標をたてる
街は静まり老人は
月明かり伸びゆく黄金の道を
自慢の帽子をかぶりなおし
軽快に去った
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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