2013年7月11日木曜日

雨の女

表情の変わらぬ
その顔の奥に
いったいどれほどの
繊細な糸がつまっているのだ

色合いの変わらぬ
その服の奥に
いったいどれほどの
鋭利なとげを隠しているのだ

薔薇のようなその唇が動くたび
風向きや湿度を変える
まるで聖書に記されている 言葉
雲ように立ち上っていく

そして街に雨を降らせる
そして僕に雨を降らせる
街は渇きを潤し
僕は孕んでいく


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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす