2013年9月18日水曜日

九月のソネット


月の光が届くように

誰かを照らすものであればと

伏し目がちに呟いて

鋭く震える芯をにぎりしめて

明日へ明日へと

羽衣をひるがえしながらかけてゆく

 

夜の林道に唄う鈴虫らを

夜明けまで浮き上がらせて

 

立ち上がる雲に遠雷を聞きながら

パラソルを見つければ拾い上げ

雨よ降れ!と投げつける

降りだした雨粒に打たれながら

言葉をしみこませては

七色の虹を空にかける

 

赤い長靴を履いた少女を

いつまでも胸に抱いて

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす