2013年9月5日木曜日

夏のあいだ鳴いていた蝉らが
腹をむき出しにしてそこかしこ
息絶え絶えに羽をばたつかせ
路上に溝に落ちている

もう飛べぬ

しがみつく幹もない
蟻が集まり体を運んでゆく

喰われている

蝉という存在は失われながら
軽さに包まれ浮かんでゆく
集合体としての鳴き声が
再び巡る夏の幻影をつくっている

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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair