poem on chair
2012年2月19日日曜日
盲導犬
ある日の車内
伏せて周囲をうかがい
黒く光る鼻をひくひく
薄茶色の大きな犬
大声でギャンブル話する客
はしゃぐ子ども
触ろうとする老女に
たじろぎもせず
傍らに立つ主人に沿う
幼犬の頃走り回った山々
母犬のぬくもりの中で
兄弟と乳を分け合ったこと
流れる車窓に見ているのか
見つめる男が
自分の佇まいに胸を熱くしているのを
知りもせず
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傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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