2012年2月4日土曜日

誰か

満員電車の中
見知らぬ女の子が
私の服の袖を掴んでいる
立っていられない女の子は
私にもたれかかってくる
電車が大きく揺れて
柔らかな女の子の手が
私の手に触れた

手が指を探った
私は財布を気にした

手は手を握った

新宿から中野の一駅
私は私ではない誰かだった

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす