2015年1月30日金曜日

すいたグリーン車の車窓から

すいたグリーン車の車窓から
つぶれた街が走り去ってゆく

曇り空が山を隠して海を隠して
先へ先へと逃げてゆく

目的を失ったわたしは
移動だけを望んだ

意識がもがれて
からだだけが運ばれた

レールと平行に走る電線に

鳥がたたずんで雲のはれるのを待っていた

0 件のコメント:

poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair