2014年7月23日水曜日

夢の住人

夢の住人達は
少し浮いたように歩いていて
くしゃみもするし
歯磨きもするけれど
名前が薄れ始めて
夢の部品になっていくのです

部分がほんとうに思え始めると
触れていても届かない
絵画の中の河のように
飛沫まで生き生きとしているのに
合図があるまで流れてゆくのです

僕も少しだけ仲間入りをして
ぼくは僕としてふるまうのだけど
虹のかかるその間だけは
モノリスに閉じ込められたように
どこへも向かうことは出来なかったのです

今も忘れてしまっているだけなのかもしれないと
合図を思い出そうとしているのです



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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす