2013年11月8日金曜日

岬あたり

2つの花が風にゆられてないていた
丘の上の夕日が落ちてゆくように
底のみえない崖の先に立ち尽くす
何処へゆくこともない木々も
かつては空を飛んでいたことを知っているように
土中の水脈を探しては倒れぬようにもぐるのだ
湖の中でおよぐ雷魚がまちがえないように
ゆすられた大地をのみこもうとした
ちぎれた風景をつないでいこうにも
短すぎるオリーブのつたが
ただ壁のうちをはうだけなのだ
忘れられた岩が潮風を受けて
やはりないている
だれともなくどこからともなく
やはりないている

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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair