2009年12月21日月曜日

茜空に雲が浮かび
道を行きかう人々の足音がする
北風が狭い路地に入り込み
餌を請う猫の鳴き声がする
たばこの煙を追えば
夜の始まりを告げる月が浮かぶ
醤油の焼けたにおいが漂い
懐かしい童謡の響きにあわせて
井戸の取っ手がこすれ水の流れる音がする
私は一人声を聞く

感触の行き先を知りたくて馴染んでいる私は
黙してしまった馴染めない私の声を聞く
馴染めない私は言う
「戯れるのはやめろ」と
馴染んでいる私の指先は痺れ
馴染んでいる私は震えだした

冬の寒さではない

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  ああ、優しい世界が 花の美しい佇まいが 現れる 言葉はそうして歩く 染み付いて歌う そうして染み付いてゆく 慣れ親しんだ冬 浮遊 ぼくはあそびたい みんな知っている 君は誰かのもの 君の瞳に僕がいる 君がいる 美しい君がいる 世界が君を現し...