poem on chair
2008年8月26日火曜日
草
陽を浴びて地に根を下ろして
あせらずじっくりと伸びる草
風や蝶が駆ける青い空に
たくましい緑の梯子をかける
ああ、バッタや毛虫が昇って食っている
雨を受けて地に抱きついて
聞こえぬ歓喜を宇宙へ響かせ
全うする自由で堂々とした
湿るその手と腕にふれる
ああ、ここにまた新しい芽が突き出ている
未来へ
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
社にて
女の眠る本屋の二階 カビの臭いのする布団 光の差し込むグラス 寒風の通る路地裏 車に乗って女を探して 目覚めるとそこにいた 溢れるくらいの冬の気配が 少し触れるだけでこぼれきそうで動けない 時折ひびくアラームと 夢とうつつの交わる振り子時計 老人の手の皺 ...
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