2015年4月14日火曜日

鳥のように

鳥のように
空をゆけたらいいのに

君のいた場所にも
僕のゆく季節にも

はばたいて
またたいて
こまぎれのひかりをついばむ

鳥のように
自由にゆけたらいいのに

2015年3月28日土曜日

2015年3月11日23時58分


20153112358

仕事帰りの電車の中で僕はつづり始める

多くの人が死んだ日

祈りがあふれて悲しみがあふれているというのに

のんびりとお茶を飲んで電気で走る電車の中に僕はいる

僕は神でもないし万能でもないから

この悲しみをぬぐうこともできなければ

死んだ人を生き返らせることもできない

ゲームの世界ではそういう呪文を唱えればいい

人は生き返り

リセットを押せばすべてやり直すことができる

だけど現実はそうはいかない

僕はこの文字をつづりながら

そんな都合のよいことが起こりはしないかと

ばかげたことを考え始めている

そんな万能な言葉がどこかにあるかもしれないと

探し続けようとこれをつづっている

もやが僕の心を覆っている

人類というものに

これだけの争いを繰り返しながら

さらに争いを起こそうとする人類に僕は

絶望してしまうのだ

僕はまだ生きている

この絶望を乗り越える手段を探している

発言が現れるたびその無力さが示され絶望してゆく

人は別れる 人は死んでゆく 人は去ってゆく

悲しみを埋めるために無常を知るべきなのか

かかわるものに執着を持たずに生きてゆくうつつの

無常・・・忘却・・・

逆らわず天に即すこと

天が滅びを望むのなら

人はそこに従うのか・・・

このもやをどうしたらよいのだ

なにがもやをかける

よこしまな心の僕にいったい何ができるというのか

明日へ向かい

次の時へむかう未来

進んでゆく
 
手遅れな過去をひきつれて

ぼくらはわけのわからないあしたへ向かっていく

呼吸をするのもおぞましいくらいに

絶望が戯れる世界をいまぼくらは

つくろうとしている

自分と戦うことをやめた人間が

敵を作り攻撃しはじめる

BARのマスターは言った

どこかで見聞きした言葉ではなく

ぼくはぼくに問い詰めて

言葉を拾わなくてはならないのだ

僕は僕に問い詰めて

僕はなにをする

ぼくはぼくを吐き出す

僕は僕をさばく

そしてぼくはぼくを許す

ぼくは僕をいきる

 

 

2015年3月9日月曜日

羊の花

ひつじを追いかけて
青空 草原 夢の国
もくもくと立ちのぼる幻想の果てに
汚れた大地が広がり続ける

寒いなら毛をあげるから
上着をこしらえてしのぎなよ
飢えたなら上着を売って
パンをもらえばいいさ

海岸沿いの草原に潮風が吹いて
羊の毛がたんぽぽみたいに舞っていく
夢の国では
羊の毛から花が咲く

黄色い花をつんで
ひとつだけつんで
昨日と明日に
お供えするんだ

2015年2月27日金曜日

小雨が降っていたよ226

小雨が降っていたよ226
米軍基地の周りを自衛隊が哨戒していたよ
15人編成で一個小隊
何の練習かな
いつもは北高の生徒のランニングコースで
100メートルおきに何百人
何してるのかな?
ダイエットのための散歩じゃないね
野草の観察でもないね
まじまじ見てたら
隊員の数人と目があったよ
同級生のまっちゃんじゃなかった
幼馴染のともくんじゃなかった
もし
一緒に詩を書いたノモトさんとかいたら
僕は何を言っただろうな

見知らぬ隊員が小雨の中を
誰かの友人であろう
見知らぬ隊員が
小雨の中を歩ていった
命令で

僕はその目を忘れない

2015年2月26日木曜日

まだなにものでもない

まだなにものでもない
冷蔵庫の音
蛍光灯の光
台所のテーブルに投げ出された箸
夕食が行われていた
珈琲を一口
10年前に買ったパソコンの前
私は何をしてきたのか
私はこれから何をしていくのか
出会った人を愛したこともあった
誕生日を忘れたこともあった
忘れていても動いているこの体
父と母が出会ったことで私はいる
水滴があつまり
水溜りとなり
流れ出して
やがて川になり
海へと還るように
私もまたどこかへいつか還るだろう
その私がいたことを
覚えていてほしいのか
そんなことどうでもいいのか
存在が消えて残された
文字ばかりが
写真ばかりが
それらの人よりもこの世界に長くある
愛する者を詩にして
残す
それは醜いこと
終わって
過ぎ去ってしまったもの
見えない感情は
もうとうに霧散して
どこにもないのに
その器だけがあふれている
それが世界を構築して
それを足掛かりにしなければ
なにもわからない
遠い所にいる
君は誰
この器をみて
ぼくのことがわかりますか?
ぼくは君に話しかけるだけ
おなかが減ってきて
ぼくは冷蔵庫から
冷凍チャーハンをだして
電子レンジであたためて
口のなかへほおりこむ
その時歯ですりつぶした
米が
味を生んで
薫りを生んで
いる
近づけて
生む
この器を
つくりつづけて
ぼくはいったい
なにを生むのか

問いかけている
なにも
考えていない
続く言葉を
つくっているだけ
それが。。
それでいいんだ
それだけで
いいんだ
おかわりだ
つぶれて
はじめて
うめる
あるから
つぶれることが
できる
あらしめること
それだけが
あらしめられること
それが
うみつづけること

国境

僕の住む町に国境がある
2メートルほどの金網で仕切られた国境
鳥がその金網に止まって休んでは飛び立ってゆく
夕陽が金網越しに差し込んで道に影をつくる

船で旅をした時、海の上には国境はなかった
地図でみたような線は書かれていなかった
でも移動するごとに持っていたパスポートに
カラフルなスタンプがたくさん押された

言葉の通じない異国の地で
真っ黒な、白い肌の人々
カタコトでツタエアウ
ワタシハカレラニドウミエタロウ

ここでは自分と違う人を排除している
分かり合えないものは排除している
よくしった安全な幻の中に身を置いて
卵のようにつるんとする

ここは収束しようとしている
膨らみ続けた世界が
間もなく収束し出して
光の一点に戻りはじめる

閉じた光の中で
暗闇を広げて
到着を待つ
岩戸の前で裸になるのは誰か

岩畳が見える
境目から水は流れてゆける
そのたどり着いた先は海
深海に沈んだプランクトン

0と1で構成されたブランクは
トランクの中で発酵し始めて
祈りの臭気だけが
漂っている

そうしてようやく越えてゆくことが
出来るのかもしれない
存在をすてて
そうしてようやく越えてゆくことが
出来るのかもしれない




2015年2月24日火曜日

僕も混ぜてくれ
その旅路に
そうしたら
忘れられるだろう
ビロウドの
哀しみのことを

2015年2月20日金曜日

水の記憶

その日、雨が降っていました
その雨はどこからやってきたのかわかりません
僕の前で地面に落ちて混ざりました

人が通り過ぎました
その人はどこからやってきたのかわかりません
僕の前を通り過ぎて行きました

光が木々を照らしました
その光はどこからやってきたのかわかりません
僕は最近会った人々を思い出しました
その記憶がどこからやってきたのかわかりません
光と記憶はどこかへいきました

みんなどこかへいってしまいます
かなしくてシャッターを切りました

雨であった日
友人の展示を観にいきました
海みたいでした
海がみたくなって
海へいきました

地面にまざった雨は
海に
ここに
あるのかもしれません

しばらくして僕はそこを立ち去りました

願えばまたどこかで
会えることがあるのでしょうか
会えるほどに強く
願えることがありますでしょうか

たたずんでいても押し流される
いのちの環のなかで
呼吸のあったことを
愛おしく持ち続けたい

親愛なるものたちよ
さようなら
どうかお元気で

僕は元気です

2015年2月15日日曜日

別れの季節に

同じ時を過ごした人たちも
日々を越えて年を重ねて
それぞれのところへ

強く願えばまたどこかで
会えることがあるのでしょうか
会えるほどに強く誰かを
思えることがありますでしょうか

たたずんでいても押し流される
いのちの流れの中で
呼吸のあったことを
愛おしく持ち続けたい

親愛なるひとたちよ
さようなら
どうかお元気で
僕は元気です

2015年2月11日水曜日

いつかのどこかの

もう日が暮れそうだよ
もうすこし
ほら寒くなってきたし
もうすこし
なにしてるの
みとどけているの
なにを?夕陽?
終わりを
今日の?
ううん、永遠の、あるいは始まりの
ありがとうだね
そう、ありがとう
来るかな?
来るよ。
もすこし
そう、もうすこし

いいかな
いいよ
もすこし
いいよ

鐘がなるよ
うん
きっと鐘がなるよ
うん
わかるように
誰にもね
うん

もうすこし
もうすこし

もうすこし
もうすこし

ありがとう
ありがとう

ありがとう
ありがとう

2015年2月4日水曜日

昨日今日明日

昨日は昨日
今日は今日
明日は明日

昨日生きていた人は
今日死んでしまい
今日いなかった人が
明日生まれる

昨日なかったものが
今日あって
今日あったものが
明日なくなる

昨日は昨日
今日は今日
明日は明日

忘れたいこと
忘れたくないこと

大切な人たちと
ただ過ごしていたい

昨日は昨日に
今日は今日に
明日は明日に



シエスタ

春を通り過ぎる風が
昨日を遠くに運んで
明日を咲かせているね

土の匂いがして
街が見えたら
踏みしめて行くんだ

景色を抱きしめて
空を見上げている
少しの間のシエスタ

この丘の上にも
君の住む街にも
少しの間のシエスタ

2015年2月3日火曜日

マウントフィルム

過ぎ去った時間をつまんで
光にさらしてあの日の景色を眺めている
答えを知った子供のように
からだから声がして汗がにじむ

2015年2月2日月曜日

2015年1月30日金曜日

ログイン

無限の公式サイト
タグがログが
記憶を遠く離れて
沈殿してゆく

眠るわけではない
目覚め続けている
零と壱で構成された
存在が
行くでもなく
待つでもなく
あり続ける

永遠に近い時間のあとにも
そのhttpスラスラ
ハイフンが
そこへ飛ばすのだ
始まりと変わらず

終わることなく

すいたグリーン車の車窓から

すいたグリーン車の車窓から
つぶれた街が走り去ってゆく

曇り空が山を隠して海を隠して
先へ先へと逃げてゆく

目的を失ったわたしは
移動だけを望んだ

意識がもがれて
からだだけが運ばれた

レールと平行に走る電線に

鳥がたたずんで雲のはれるのを待っていた

大阪2015

白いシーツの上で泳ぐ
夕暮れの風が浜辺に風が吹く
からだについた砂をふりはらうと
キラキラと輝く

ネオンが街を眠らせない
香水の強い女が
紙袋を抱えて
点滅する信号の中に紛れた

溶け出した氷が
汗をかかせて出口をふさぐ
煙の立ち込める店内を
白黒にして水滴が映している

細やかな背中を撫でて
土地の味を憶えようとする
目を閉じながら私は
ひたすらに泳いでいる

夜があたりをつつんで
時間ばかりが唸っている

2015年1月17日土曜日

血が鉄の味がする
鉄の甲羅を持つ貝がいる
深海に

血の中にある鉄が
騒いで吸い寄せられてゆく
磁場に

血の詩や絵が
からだの鉄をざわめかせる
私は震える

血の中にある鉄が
固まりだし、吐き出さずには
いられ、ぬ、ぬ、ぬ、ぬ、ぐぅ、


2014年10月31日金曜日

つかれた女

交差点で見かけた女は
会釈だけして足早に
横断歩道を渡っていった

自分の鞄の他に
靴やら服やらが入っているであろう
紙袋を抱えていた

スカートをはいていた
濃い口紅をしていた
時刻は午前零時

一度酒の席で会ったことのある女だ

誰かと関わることに
つかれた女が
会釈だけして足早に
横断歩道を渡っていった

その後ろ姿が
話しかけている気がしたのは
私もまた
つかれていた

2014年9月29日月曜日

ブラックホールが
宇宙を飲み込んでいるそうです

光があって世界を知れるのは
闇があるからです

悪意があるわけではなく
そういう性質なのです

深い闇があるからこそ
輝かしいのです

激しい喜びは
世界に穴を開けるのです

2014年9月12日金曜日

駅前広場


強い日差し
に照らされて倒れて動かない男
その横に喫煙所
男の存在がないように
喫煙所に出入りする人々

一人の青年が男を見る
しばらく立ち止まる
男を見る

そして喫煙所にいく
青年は煙草を吸う
吸い終わる
男の横を通って
男を見ることなく
立ち去る

青年は交番に立ち寄り
「広場に男の人が倒れています」
「ああ、ああしていつも休んでいるんだよ」
と警官は言った

青年は改札を抜けてどこかへ向かった
車窓から風船が飛んでゆくのが見えた
喫煙所からは煙が絶えることなく昇っている







2014年9月7日日曜日

駅前広場・道・家

*駅前広場

強い日差し
に照らされて倒れて動かない男
その横に喫煙所

男の存在がないように
喫煙所に出入りする人々

一人の青年が男を見る
しばらく立ち止まる
男を見る

そして喫煙所にいく
青年は煙草を吸う
吸い終わる


男の横を通って
男を見ることなく
立ち去る


*道

青年がゴルフ場練習場の
裏手を歩いている

一人の女が腰かけて携帯をいじっている
青年が近づく
女は顔を上げる
女は立ち上がり

青年と並んで歩いてゆく


*家

昼間居間に、一匹のゴキブリが歩いている
ゆっくりと歩いている
とても大きいゴキブリ

女が殺虫スプレーをかける
泡がとても大きいゴキブリを包む
泡がはじける

とても大きいゴキブリは動かない


女「こんな昼間に出来てたら、殺されるに決まってるのに」
男「俺、昨日もみたよ」



2014年9月1日月曜日

夏の終わり

50センチくらいだったか
触れられる距離で君が何か話している
見つめるだけで言葉や時間が通り過ぎてゆくね
君が思いを馳せるところがどんなところなのか
先回りをしてつかまえたいよ
セミとコオロギが鳴きはじめる夏の終わりに
消えてゆく君のかけら言葉抱きしめた


2014年8月27日水曜日

あなたの声を思い返すだけで
どれほど歩けたかわからない

なんてことはないのです
暗闇の道でも雨の道でも

私はあなたの声を確かに聞いた
どれほど歩いて行けるかわからない

私が絶えてしまっても
歩みが止まることはないでしょう



2014年8月22日金曜日

貨物列車

僕はどこに行きたいんだろうな
僕はどこに行くんだろうな
心をかくして行きつくところは
息も出来ない心ないとこ
大人になって嘘ばかりうまくなって
素直でいられるのはひとりでいるとき
長く生きていたけれど
悲しみが荷物になって歩いてゆくのもおっくうだ
そもそもどこに行くかもわからない
貨物列車が深夜の空を走ってゆく
その貨物列車に乗せてください
僕をその貨物列車に乗せてください


2014年8月16日土曜日

今、夏、夜
道端の木々から
街灯の中から
とどく鳴き声は
どれもいつかきいた
それとは違う

季節をこえては
鳴けぬ
飛べぬ

力尽きた蝉は
羽をばたつかせ
地を這いながらも鳴く
足を折り曲げて
そして
空を抱いていく

季節をこえては
鳴けぬ
飛べぬ

2014年8月14日木曜日

足元が揺れている
存在を揺るがすように揺れている
鳴きつづける蝉のいる夏は
無限の生殖活動への渇望
ひげを生やした権力者たちが
地球儀の上でマージャンをしている
キャンパスに描かれた風景を探して
どくろの生い茂る森をゆく
自発的に動き出した機械に動かされて
すべてが潰されて消えてゆく
砂漠のど真ん中で店を広げて
七色の宝石を売る
月の光がひしめき合うように
それらを照らしている

寝苦しい夜が続いて
夜明けの来るのを見届けて眠りにつく
明日が来ることを
うまく信じられないくらいに
世界は急激に変化して
ひとつの部屋の中に
情報が溢れすぎて息ができない

たどり着きたかった場所が
ほんとうに望んでいる場所でないことに気が付いて
子供のころ欲しかった玩具を手にした時に
欲しかったという形容詞が抜けて
どうでもいいように思え
うまく大切にできなかった

目に触れる世界が
おおよそ自分とはかけ離れたところで成り立って行き
そのメビウスの輪のから
放り出された小惑星が
輝きもせず漂っては砕けてゆく

向日葵はいつだって
太陽を向いている
近すぎてはみていることができない
遠すぎてはわかることができない
永遠はすでに抱えている

みつけようとするな!
打ち抜け!
打ち抜いた
「零」

酔え


2014年7月23日水曜日

夢の住人

夢の住人達は
少し浮いたように歩いていて
くしゃみもするし
歯磨きもするけれど
名前が薄れ始めて
夢の部品になっていくのです

部分がほんとうに思え始めると
触れていても届かない
絵画の中の河のように
飛沫まで生き生きとしているのに
合図があるまで流れてゆくのです

僕も少しだけ仲間入りをして
ぼくは僕としてふるまうのだけど
虹のかかるその間だけは
モノリスに閉じ込められたように
どこへも向かうことは出来なかったのです

今も忘れてしまっているだけなのかもしれないと
合図を思い出そうとしているのです



2014年7月22日火曜日

雨が降ると天気予報で聞いた
傘を持って出かけた
でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って
だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた

ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して
ぼくの世界はまっ白になったんだ

それで、ぼくは持っていた傘を開いて
歩いたんだ
そんな必要はなかったけれど
それでも、ぼくは雨も降らないのに傘をさして
歩いたんだ

2014年7月17日木曜日

磁場

どこかへ向かう途中で
乗り過ごして
来る予定ではないところへ
来てしまった
自分を取り巻く景色は
人であろうと音であろうと
つかまった手すりであろうと
どこか全部が
つくりもののように感じて
美しい夕焼けは
誰かが描いたようで
会話の節々が
やはり細かく整えられているように
思えるのだ
私はその水路に流れていくのだけれど
そういった自分に
気の付かないままやりすごして
おくほうが
良いのかもしれない
行く先は見えても
ましてわかっても
いないのだけど
広いところに出るのかもしれないと
思っている
それは私のなかにある
命というものが
こすれることで生まれた
磁場が
なにかに引き付けられた
結果に過ぎないと
わかっているから

2014年7月16日水曜日

言葉が増えすぎた世界で

言葉が
増えすぎた世界で
僕らは誰かを
わかろうとして
立つ場所を失う

言葉が
増えすぎた世界で
僕らは何かを
想おうとして
手を止めてしまう

物語は続いて
言葉は今も増えている

2014年6月22日日曜日

夕立

着付けたばかりの
水玉のブラウスに
夕焼けが落ちて
ふくらむ胸がすける

三ブロック先の角を
右に曲がります

情熱という名の
毎日が
コインロッカーから
取り出されるのを待っている

水飲み場で
思い出した懐かしい風
つないだ手のひらから
吹き出した

木々がさわぎ出して
もうすぐ
夕立がくる

2014年6月21日土曜日

後だしじゃんけん

サッカーでも政治でも震災でも
起こった後になにかを言うのは
後だしじゃんけん
誰も負けたくないから
起こったことに何か言い出す
先回りして食い止める人たちは
イマジンを現そうとする人たちは
何も言わずに手を動かしている
何も言わずになにか手段がないか考えている
起こったことに心を痛めながらも
けして奪われはしない
後だしじゃんけんで
わめく人たちは
勝ったつもりで偉そうに
あきらめている

2014年6月17日火曜日

老いた父

老いた父が
癌が再発したら
延命はやめてくれと
いった
生きていることが
もう
そんなに楽しくないのかも
しれない
老いて独りで
満足に生活が出来なくなっている父
私もいつの日か
老いるだろう
生きていることが
そんなに楽しくない日も
来るだろう
私はせめてそれを
正直につづり
父を思い出そう
元気を出せと
うまく言えない

アフォガード

茶店で宮崎君が何か食べるものありますかと聞いた
シフォンケーキとアフォガードがありますと店員が答えた
アフォガードーってなんですかと宮崎君が聞いた
アイスとケーキに珈琲をかけて食べるデザート店員は言った
僕は最初アホガードと聞えてアホをガードする食べ物か
などど考えていた。
宮崎君はシフォンケーキとコーヒーを頼み
僕はオレンジジュースにからアフォガードに変えてみた
アフォガードを検索するとイタリア語で溺れるという意味だった
アイスが浸かって溺れることなのだ
コーヒーに溺れてぐずぐずになったシフォンケーキ
コーヒーに溺れてどろどろになったアイス
倦怠に溺れてぐだぐだになっていくライフ
自分を思った
口当たりが甘苦く
溺れる
自分を思った

2014年6月12日木曜日

レイヤー

銀の灰皿に吸い殻の林ができた
締め切りをとおに過ぎた
完成する予定だった一反の着物
作り上げてゆくこの精神に
栄養ドリンクを何本も流し込んで
指先よ動け動けとわめくが
立ち上がるのはいたいけな一物
触っては慰め涙を流し
回転する針のゆくえ
開けた窓から冷たい風
積み重なる数字
また朝になれば自転の遠心力で
はじき出された肉体に
生き生きとした不安が降り注ぐ
夜が明るすぎる
白々とした蛍光灯が奪っていく
呪うべきものはなにもない
むず痒くただれたこの部屋から
別のレイヤーに移行するため
砕く砕く砕く
濾す濾す濾す
砕く砕く砕く
濾す濾す濾す・・・

2014年6月10日火曜日

無敵艦隊

僕の命が尽きるまであとどれくらい
好きな人と過ごしたい
僕にしかできないことをしていきたい

この人を好きかもしれないと思うとき
これは僕にしかできないことと思うとき
この人を愛しているのかもしれないと思うとき
僕にしかできないことをしているとき

体中の無敵艦隊が出動する
どこへでもどこまででもいける
尽きぬ突き抜ける
無敵艦隊が出動する

2014年6月5日木曜日

朝焼けがどこまで届く

朝焼けがどこまで届く
忘れたいくらい
ぼんやりとした
よくわかんなかった夜
投げ飛ばしたよ

今夜、君といらんなかった
愛なんてことば吐き捨てた
うまく、うまく言えなった

終電乗り過ごして
いくあてなかった
ぴらぴか行き

キスしたらよかったですか
わかんなかったですけど
それでよかったです
いみなんてしらなくて
よかったです

ほんともわかんないから
君を愛せたから
なんにもないことで
君を愛せたから

君のやさしさが
眩しい

2014年5月31日土曜日

変態

見つめられているまなざしに
答えられずに時は過ぎゆき
朝陽の中に身をさらして
紫の空を見上げている
毛虫

意味を求めては砂漠を
ただ一人で行く
進んで行かなくては行けない
置いて行かなくてはならない
孤独に

胸を割いて白い幼体が露わになる
風は痛みをともない突き刺さり
流れ出す血のしぶきが肌を伝う
抱えられるものは何もない
命の他は

そうなってしまったのだ
望んだのは忘れてしまったほどの

現れてしまったまなざしが
見つめている
朝に

2014年5月29日木曜日

労働について

昔、朝まで飲んだ女
から連絡がきた
仕事の話だった
が、近状報告
になる、
結婚して子供生まれたのよ、かわいくてメロメロよ


あの朝にホテル代があれば
2人の顔を見ることが出来たのかもしれない


労働について

バス停をすぎて

バス停があって 田畑の広がる一本道に  一時間に数本  だからベンチがあって屋根があるのです。 私はしばらくいて  通りすぎるのは  風や雲や時間ばかりで  バスは通り過ぎなかった 私はどこかに向かったのでしょうか ? 私は何かが来たのに気づいたでしょうか?  私はバスが来ていた...