poem on chair
2019年2月28日木曜日
無題
はがれたばかりの水平線が
銀色のカーテンに浮かんで
沈みかけたビー玉の転がる先にたなびく
蓄積された電子顕微鏡の隙間から
今朝また風の子たちがのぞいている
狂った歯車のねじが一つ外れて
見知らぬ土地へとダイブする
詰め込まれた弾薬はその役目を果たせず
麦畑に放置されたまま眠っている
2019年2月27日水曜日
無題
ぼんやりとした麻婆茄子
三つ編みの螺旋階段が空まで伸びて
雲が散る
たんぽぽは笑う
ヒマワリは泣く
ヒバリの群れが故郷を目指してはばたく
これら一切の事象が点灯して
街の中に消えていく
さようならサイレンス
雑詩
カフカは昼間の仕事のあと夕食を済ませて
朝日の昇るまで小説を書いたという
小説を書くことは新しい世界に光をあてていくこと
作り上げていくこと
詩は
いや、詩も
そうして書ければと思う
これは散文
これは小説
これは詩
どれでもいいなんでもいい、
始まりの言葉を見つけたい
今日の昼間2019年の2月26日の14時頃
私はなにかをみつけた気がしているのだが思い出せない
こうして書いているうちに思い出すかもしれない
なにかを見てうつしとるのではなく
心にうかぶことを掬う
それをつないでいくこと
仕事に向かう途中私は
その陽光、夕暮れのなかに
なにもかもをわすれてたたずんでいたかった
なにが私をせかすのか
なにが私を移動させようとするのか
そこにたたずんで風景と一緒に
ああ、そう風景と一緒にいたかったのに
私は去ってしまった
心に浮かぶ声を、
知っていたのに
知っていたのに!
行ってしまった、去ってしまった
再びそこへ立つことはない
悔恨
もっと風景と一緒に
もっと風景と一緒に
どこへいくよりもはるか遠くへいける
風景と一緒に
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雪が降る 柔らかに雪が降る 昼も夜もこの街に 雪が降る 足跡が道についている 誰かが歩いた跡 私も歩く 雪の中を 優しい雪の中を
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく