2018年3月4日日曜日

光にまぎれて春の薫りが路地を通り抜ける
暮れてゆくその日をとどめたくて
時間の流れのゆるやかなところへ行く

どのくらいの距離から
どういう形で届いてくるのか
光、音、あるいは味

その大きな窓から見える景色と移ろいゆく存在
夜の訪れる少し前に音のない花火が開く

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす