2010年9月22日水曜日

くも

季節はずれの入道雲見上げた
木々の間に蜘蛛の巣あった
さわがず贈り物を待っていた

2010年9月18日土曜日

また会う日まで

また会えるのかな
誰もが季節が来れば遠くの町へ旅たつし
愛する人が見つかればその人のそばにいる

語り合った夜や探し回った夢の足跡
それが最後だとわかっていたところで
どうすることも出来なくて
いつもと同じように町を並んで歩いた
肉屋の店先でコロッケつまんで
おじさんが居眠りしてる本屋で立ち読みして
レンガ造りの喫茶店でコーヒー飲んでた

その場所に君といたしあわせな時間追いかけて
僕もまたどこかへ出かけていく
雨が降るたび朝日が昇るたび
海を思い出すたび君を感じている
忘れてやしないよ

電話やメールや手紙で感じられない
香りのする君の手触りは
このまま進んでいく道のどこかにあると信じてる
君がどうしたってあふれ出る
静かな夜にはこうして君の思い出に話しかけるのさ

生まれた人

昨日生まれた人は46490人です
ようこそこの世界へ

2010年9月17日金曜日

慈しい

誰とでも会えるわけではないのです
誰とでも再び会えるわけではないのです
どこにでも行けるわけではないのです
どこにでも再び行けるわけではないのです

慈しい
面前に広がるその一瞬一瞬が
慈しい

慈しい
目の前でくつろぐあなたが
慈しい

ただ慈しい

2010年9月12日日曜日

2010年9月11日土曜日

君へ

君は知っているのだろうか
君の美しさや可愛らしさを
聞かぬ振りをして
知らぬ振りをして
君以外の美しさや可愛らしさを見つけては
教えてくれてる
君は美しく可愛らしい
受け取り
受け入れ
微笑んでほしいのだ
そう
微笑んでほしいのだ

2010年9月9日木曜日

社会≧アイデンティティ

そのようにして一個の人間の中に
含まれた土地や思想の
交わるところを重ねては
社会はトランプゲームのように
積み上げられていく

2010年9月2日木曜日

家出

自分と向き合うのが怖くて
君から家出して
ほっつき歩いた日々

行き着くところ
見つけたかったのは君こと
歩き出す力くれたのは
君との思い出

あるだろうか
戻ってきた街の雑踏に
どこにも見当たらなかった
君の笑顔は

2010年9月1日水曜日

なつ

同じ季節が同じ年に輝き
目も開けられぬもぐらは
息をするのをためらううちに
迷いの大地でもだえ死ぬ
躯を苗床とした
向日葵はいつまでも
黄色い花弁をその季節にたむけるだろう
伸びる入道雲が時折風とともに
その臭気を洗い流した

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす