2009年12月25日金曜日

雑詩

夢は詩人
現実は皿洗い
真実の愛を知りたい
でも毎日自慰
幸福は見つけられる
だが死んでもいい
友人はいる
しかし孤独
私は世界の一部
されど世界は私の中に
美しいものはわかる
だが捉えられない
記す
だが記したいものは記していない
私は生成される
と同時に消滅している
委ねる
が、
規定されて
つまりは
りんごを食べるときに
そこにいたる同様の流れを
知るほどの余裕はないということ

眠ろう・・・
眠ろう・・・

2009年12月21日月曜日

茜空に雲が浮かび
道を行きかう人々の足音がする
北風が狭い路地に入り込み
餌を請う猫の鳴き声がする
たばこの煙を追えば
夜の始まりを告げる月が浮かぶ
醤油の焼けたにおいが漂い
懐かしい童謡の響きにあわせて
井戸の取っ手がこすれ水の流れる音がする
私は一人声を聞く

感触の行き先を知りたくて馴染んでいる私は
黙してしまった馴染めない私の声を聞く
馴染めない私は言う
「戯れるのはやめろ」と
馴染んでいる私の指先は痺れ
馴染んでいる私は震えだした

冬の寒さではない

たい焼き

たい焼きを
カイロ代わりと
買い求め

2009年12月9日水曜日

幸せな名のついた喫茶店

悲しい夢を見た日の朝は
幸せな名のついた喫茶店で
月みたいな目玉焼きを食べる
甘い甘いジャムをトーストにぬって食べる
採れたての野菜をシャキシャキ食べる
そして苦い苦い珈琲を飲む
幸せな名のついた喫茶店には
悲しい夢を供養する朝食がある

2009年12月3日木曜日

銀杏

冬に押されて
空を紡いで
地に伸びるのは
去りゆく秋に
木霊の振りし
幼き掌(てのひら)

2009年12月2日水曜日

猫らしい猫

猫らしい猫がいて
やってきては
ふとももあたりに手をおいて
のんびりしたり、そばで寝転がっては去っていく
なにか気に触ることしたか
さみしいぬくもり残す
そんな猫らしい猫にあった

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす