2008年11月30日日曜日

空を飛べたら

空を飛べたらいいのに

街を歩いて
花を見ても
服を見ても
君を思い出す
青空見てると涙が出るよ

空が飛べたらいいのに

あの青空とひとつになれば
憧れることなんかないんだ
君のいない地上は
悲しすぎるよ
僕は空へ行ってしまいたい

空が飛べたらいいのに

2008年11月28日金曜日

珈琲

すでに珈琲は
香りもあたたかさも消えて
苦味だけが残るけど
あなたからさめるにはちょうどいい

2008年11月27日木曜日

月とすっぽん

たどり着こうと
泳ぎつかれて
波に揺られて漂えば
甲羅にかかる金色の指

2008年11月25日火曜日

高尾山

行楽客行きかう
紅葉の高尾山

男坂と女坂の間に伸びる
仏舎利への道

踏み荒らされぬその一角に
礎となった人々の碑が佇む

雨が降り、風が吹き
陽にさらされようと黙って佇む

怒りか、慈しみか
喜びか、悲しみか

花咲く季節
木々の彩る季節には

手のあることのありがたさ
足のあることのありがたさ
目のあることのありがたさ
心のあることのありがたさ

携え

友とその道を行く
踏み固めて

2008年11月23日日曜日

さよなら愛しき人よ

愛の言葉をささやくたびに
あなたへの想いが消えてゆく

さよなら愛しい人よ
雲の流れるように消えてゆく

愛してるとつぶやくたびに
あなたの面影が消えてゆく

さよなら愛しい人よ
月の欠けるように消えてゆく

歩いた季節は幻の花
紡いだ奇跡は幻の光

さよなら愛しい人よ
思い出までも時の過ぎ行くように消えてゆく

2008年11月20日木曜日

帰り道
夜空を見上げると
月が浮かんでる

あの月へ
二人で行って
碧い地球を眺めよう

足元で
カサカサ笑う
落ち葉みたいに

月の土を
二人で一緒に
くすぐろう

そしたら僕らは
ずっと一緒
夜風が冷たくたって平気さ

恥ずかしがって
少し
寄り添えばいいんだから

2008年11月19日水曜日

待ちながら

記念日はいらない
指輪もいらない
言葉もいらない

なんの
しるしのなくとも
わかるもの

僕は
それがわかればいい

あの日の
僕の気持ちは
どこを漂っているの

君へ投げかけた
僕の気持ちは
どこで道草しているの

返事はいらない
合図もいらない
なにもいらない

なんの
しるしのなくとも
わかるもの

僕は
それがわかればいい

もし
君がそれを持っているとするならば

僕は
それを待っている

2008年11月18日火曜日

地の声

どこの地にも
声があるはず

なのに

都会はうるさすぎて
地の声が聞こえない

だまったままだ

都会の地は
疲れている

ささえることに
疲れている

街と人の夢を
ささえることに
疲れている

朝陽

僕は時々生きているということが
とてもはかなく
すぐにでも消えてしまうのではないかと
思うときがあるんだ

だから心に浮かんだことを
すぐに言ってしまったり
悲しいくらい衝動的に
なにかをしてしまったり
やめてしまったりするんだ

君に突然会いに行ったのに
うつむいて黙りこくったりする
そばにいないことが耐えられなくて
会うことでさらしてしまうことが怖いんだ

君と出会ったことで
僕は自分の求めているものが
何かわかったんだ

それはすぐそばにあるのに
とてつもなく遠く
すでに手にしているのに
いつまでも追いかけなければならない

それはそのものが
時間をかけて成っていくものだから
それはそのものが
僕と君の間に繰り返される時間の中で
それは成っていくものだから

僕は今、穏やかです
僕はあなたを感じています
もうすぐ夜が明けます
あたらしい明日がやってきます

おはよう
おはよう

君におだやかな朝陽がそそぎますように

2008年11月15日土曜日

あなたへ

日に一度はあなたを想う
祈りのように

いつものように
陽が昇り落ち
星が瞬き
月がくしゃみをしようとも
この一日は
またとない一日

いろんなことが起こる日もあれば
何も起こらない日もある
喜びの日もあれば
悲しみの日もある
この一日は
またとない一日

だから僕は今日もあなたに愛を告げよう
だから僕は今日もあなたを愛するのだ
だから僕は日々新しくあなたを愛するのだ

だから僕は日に一度はあなたを想い
あなたを愛するのだ
祈りのように

僕と世界の間に
永遠に横たわる
この静寂の時に

秋色

装い変える木々に習い
私も街で服を買い
髪を切る

次来る季節に
あなたの心
色付かぬかと

2008年11月14日金曜日

秋月の夢

夢の中で逢えぬものかと
眠りについて

笑うあなたは
ごめんなさいねと
夢の中でも私をこばむ

やわらかな指先に
触れることもかなわぬ
秋月の夢

伸びる影は
いくつあれども
いつまでも
寄り添う影は
月よりの影

2008年11月11日火曜日

残炎

ああ

この苦しみは
通過儀式なのか

それとも道を
たがえただけなのか

わからない
僕にはわからない

ただ
あまりにも
僕は恋の悦びを
感受したために
もう
なにも
残ってはいない

生きていることへの
悦びを
恋の悦びに
重ねすぎたのだ
僕は
魂を
あの
ベアトリーチェに
捧げてしまったのだ

ああ

あなたは去ってゆく
僕にもたらした
すべてを持って
去ってゆく

残された僕は
ひたすらに
煉獄の炎に
焼かれるしかないのだ

なんと残酷な!
あなたの
しあわせが
僕をさらに烈しく焼きつけるとは!

ああ
ベアトリーチェ
どうして
すべてを焼いてくれないのか

僕はもうこの残炎より
動くことができない
逃れることもできない
目を開けることもできない

ただ
この苦しみが
通過儀式であることを
祈るだけなのだ
愛への

だが
わからない
僕にはわからない

2008年11月10日月曜日

永遠

一日は一年
一日は十年
一日は百年
一日は千年

一瞬は永遠

あなたと

あなたと過ごす日々
それは天国

あなたと笑いあうこと
それは幸福

あなたと触れ合うこと
それは悦び

あなたと生きること
それは愛すること

2008年11月7日金曜日

牢獄

心が騒いで
本なんて読めない
イメージのすべてが
あなたに行き着いて
まさに牢獄
でもその牢獄には窓がある

2008年11月1日土曜日

たいせつなこと

気が付かずに過ぎていく
小さな気持ちの中に
大切なものはあるんだ

生きてると 時どき
僕も周りもうるさすぎて
そんな気持ちに気づかない

本当に本当に大切なことなのに

雪が降る 柔らかに雪が降る 昼も夜もこの街に 雪が降る 足跡が道についている 誰かが歩いた跡 私も歩く 雪の中を 優しい雪の中を