2009年7月29日水曜日

入道雲

心にもくもくと
入道雲が入り込み
風吹けば
傘を差すまもなく
夕立が降る

2009年7月27日月曜日

しあわせ

しあわせというだけでは足りなくて
君に伝えることが難しい
うれしい たのしい はずかしい
いくつ重ねても
こころの中が伝わらない
しあわせだよ
しあわせだよと
問いかけ言葉にするたびに
なぜか少しかなしくなる

すれ違い

愛してるというと
ありがとうと君は言う
私もよと言って欲しかった

思い出横丁

雨降る思い出横丁
二人の間に傘ひとつ
抱えた愛には
守られることなく
闇がしみる

2009年7月24日金曜日

ねずみ

半分とっておいた
ポテトチップを食べられた
まあるい穴が袋にあいてて
うんちがひとつしてあった

2009年7月23日木曜日

日食

日が食われ、闇
僕らは信じる事のなかで
しばし恐怖を楽しむ

2009年7月20日月曜日

天川

歴史深いとはなんと浅はか
人の尺度

大杉を蟻がよじ登り
山々へ木々がはえる
地へ山々がそびえ
地が宙へ浮かぶ

我の足へ蟻が這い
河のほとりにて天をおもう

2009年7月16日木曜日

君に触れるのは罪か
君を想うことは罪か
何も語らず君に触れたい

ブロディガン

詩がブロディガンに似てるという
ピストルで頭撃ちぬくまで
あとどれくらいだろう

2009年7月15日水曜日

2009年7月10日金曜日

今もどこかで旅する人は
好奇心と驚きをもって
世界を歩き続ける

彼らが歩くのは
生まれた土地から
遠く遠く離れたところ

彼らが眠るのは
大切な人から
遠く遠く離れたところ

日が暮れて眠りにつくとき
彼らは喜びと悲しみの混ざった
美しい涙を流す

ああ、あああ、そうか

彼らの目指したところ
それは始まりではあるけれど
終わりでもある場所

今帰り路
もうすぐ帰る

そこはどこより暖かく
どんなとこよりすばらしい

待っててくれるかい
そこにいてくれるかい

今帰り路
もうすぐ帰る
僕の愛すべき人のいる
君のいるところへ

ああ、あああ、そうか

2009年7月9日木曜日

うん
うなずいた

うしろを向いた
うつくしい

うごかないで
うつるまで

うまれてきた恋が

2009年7月5日日曜日

どうして出会ったのか?
どうして友達になったのか?
運命だとか宿命だとか
どうでもいいし、知ったとこでどうでもない
心開いて話せるあなたと
こうしていられればそれでいい
それだけで生きていることに
よろこびとしあわせがあふれる

2009年7月1日水曜日

着こなし

ごまかしや
ねたみや
嫉妬が
あふれてしまって
とても醜い自分があらわになり
かなしくなる

邪な感情や
自分かわいさの同情心や
安心したい優越感
あふれてしまって
とても醜い自分があわらになり
かなしくなる

口にのぼる嘘や虚栄
きれいごとを並べて
他人の顔色うかがって
不幸な人を見つけては
憐れみをやさしさとして
おしゃれに着こなす

とても醜い自分があわらにならないように
おどおどと鏡をさけて
おしゃれに着こなす

季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす