2015年3月11日23時58分
仕事帰りの電車の中で僕はつづり始める
多くの人が死んだ日
祈りがあふれて悲しみがあふれているというのに
のんびりとお茶を飲んで電気で走る電車の中に僕はいる
僕は神でもないし万能でもないから
この悲しみをぬぐうこともできなければ
死んだ人を生き返らせることもできない
ゲームの世界ではそういう呪文を唱えればいい
人は生き返り
リセットを押せばすべてやり直すことができる
だけど現実はそうはいかない
僕はこの文字をつづりながら
そんな都合のよいことが起こりはしないかと
ばかげたことを考え始めている
そんな万能な言葉がどこかにあるかもしれないと
探し続けようとこれをつづっている
もやが僕の心を覆っている
人類というものに
これだけの争いを繰り返しながら
さらに争いを起こそうとする人類に僕は
絶望してしまうのだ
僕はまだ生きている
この絶望を乗り越える手段を探している
発言が現れるたびその無力さが示され絶望してゆく
人は別れる 人は死んでゆく 人は去ってゆく
悲しみを埋めるために無常を知るべきなのか
かかわるものに執着を持たずに生きてゆくうつつの
無常・・・忘却・・・
逆らわず天に即すこと
天が滅びを望むのなら
人はそこに従うのか・・・
このもやをどうしたらよいのだ
なにがもやをかける
よこしまな心の僕にいったい何ができるというのか
明日へ向かい
次の時へむかう未来
進んでゆく
手遅れな過去をひきつれて
ぼくらはわけのわからないあしたへ向かっていく
呼吸をするのもおぞましいくらいに
絶望が戯れる世界をいまぼくらは
つくろうとしている
自分と戦うことをやめた人間が
敵を作り攻撃しはじめる
BARのマスターは言った
どこかで見聞きした言葉ではなく
ぼくはぼくに問い詰めて
言葉を拾わなくてはならないのだ
僕は僕に問い詰めて
僕はなにをする
ぼくはぼくを吐き出す
僕は僕をさばく
そしてぼくはぼくを許す
ぼくは僕をいきる
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