2012年2月23日木曜日

プロパガンダ

その目が開くとき
私は流れ出す
その時間は
その時であり
その時でない
氷の溶け出すように
無意識がペンに流れ出す
私の体が記憶し
あふれだしたもののひとつの
形跡が文字となり
つらなりはじめる

私は身をゆだねる
私は指をゆだねる
必要なものと対話する
世界と対話する

生きること、まず
私は生きること
愛すること、まず
私は愛すること
働くこと、まず
私は働くこと

私は、読むこと、まず
読むこと
過去に流れる
雪山に積もる氷が
溶け出した記憶を
宙に流れる意識の粒子を
宙に溶け出した正しき
法則の一筋の光に似た
流れをたどること
たどること
文字に現れた
蝋のとける灯のうちに
たどること

無作為に選択されたように見える
周囲の音をたどり
道筋をみつけよ
発せよ
記せよ
この記したことは
記した以上に含まれる
それは岩石が
その蓄積の中で表出した
存在と同じように

私の中、いな
私を通じて存在したがっている
その断片を
呼吸とともに
私の呼吸とともに存在させよ

明けていく
明けていく
世界が新世界に向けて
明けていく

ああ、私は欲する
ああ、私は拒絶する
粒子となり、細分化された
現象を拒絶
ただ、無

空、の中に漂う
遠い地の息
遠い時の鼓動を受け入れる
同時にそれは起こっている
私の身に起こっている
この現象は
同時並行的に起こっている

私よ、私よ、共につくろう
再構築の時は来ている
私よ、私でない私よ
共鳴の文字を記せ
記せ 記せ

それは現れたもの以上に
含まれている
これらの文字の一つ一つが
現れているもの(現象)以上に
含まれていることを正しく
確認する

さて、問いだ
どうするのだ
どうするのだ
まず、生きよ
        生きよ 
       つづれ
       つづれ
現れている 
すでにそれは
現れている
具体はいらない
溶け込ませるのだ
世界に

すでに私は試みた
発することで
溶け込ませる方法を
その存在は
たしかに広がりゆくのだ

記せばいい
詩人は記せばいい
世界にとけだすのだ

自分から
そして愛するものから
とけこませるのだ
それが世界を変質させる

再構築は
これよりはじまる
新世界は
これよりはじまる

はじまっている

私よ、私以外の私よ
共鳴により 記し 始まりをしめせ

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす