2020年6月14日日曜日

トンネル

大きな窓から見えるマンション
雨粒とライトでぼんやりと見えて
それはいつの日か訪ねた部屋の表札
地下鉄が僕らの記憶の足元を通過しながら
球体の虹を輸送しているころ
起こされたばかりの水夫たちが
焼き立てのパンを頬張りながら
掘削の計画を立てている
朝と夕暮れの訪れる訳をしらないままに
出来たばかりのトンネルを
私達もまた通過してゆく

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