2014年4月11日金曜日

情景(下)

何も残したくないといった友人がいた
カメラを向けると嫌がるのだ
写真には映らなかったが
私はその友人を忘れない

何も残さなかったものが
置いていったものに憧れて
街は拡声器で喋り続けている

誰にも会いたくないと思うとき
私は会えないものに憧れている

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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair