2013年2月19日火曜日

夢の街

夢から覚めてはっきりとしたものが流れこんでくる前に
古ぼけたランプにもういちど火をつける
オイルの匂いが夢の色をとどめて
過ぎてしまった夜空を輝かせる

石灰で描かれたトラックを
一人の娘がかけていく
もう少しだけもう少しだけ
速く走れば失われた扉にもう一度会える

迫りくる嵐を誰もが知り
息をひそめて過ぎるのをまっている
切れかけた電球がバリバリと合図している
影が山にのびてやまびこに触れた

街は山に飲まれようとしている
山もまた闇に飲まれようとしている


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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair